翌日、自分の幸せについて考えてみた@ 「とりあえずデートに誘ってみようと思うでござる」 「………誰を?」 ていうかアンタ話す時には説明を入れなさいよ。そう思いながらも話を聞く体勢は取る佐助は根っからのいい人である。 しかし幸村は中々口を開かずにもじもじと手をいじっていた。 まあ、大体予想はつくんだけどさ。 「……そ、その、政宗殿を」 ほれ見ろ。佐助は足を組み直して本格的に聞く体勢をとる。今までの経験上話が簡単に終わらないとなんとなく感じとったらしい。 「へえ、誘ってくれば?」 「誘えるものならばすでに誘っているでござる」 「何?なんか問題でもあんの」 「……誘い方がわからぬのだ」 「は?」 今まで誘ってきたやり方使えばいいじゃないかと言おうとするがそこで思い出す。これは部活命の幸村。 「ああ、誘ったこと無いんだ」 それどころか初恋が政宗だと少し前に照れくさそうに言われた記憶がある。 「無い」 「だよね」 「お前の怠惰な女性関係をぜひ参考にしたい。教えろ」 「それ人に物を頼む態度じゃない」 というか何気に失礼なこと言いやがって。そして見た目だけで人を判断するなと言いたい。 あ、彼女?いねえよ。 「しかし放課後デートの定番というものがあるのだと聞いた。付かず触れずの距離で歩くとたまたま触れ合う指先!帰り道の買い食いでわざと別々の物を買って互いにに食べさせ合ったり!『はいあーん』をしてみたり!何かの拍子に思わず顔を見合わして、何かを言いかけるもお互い先に話すのを延々と譲ったり!俺もそんなことがしたいのだ!世間がクリスマスだのなんだと浮かれてるのに俺が浮かれていけないわけがない!」 「なんか微妙に情報が古いね旦那。」 何がしたいのかは大体わかった。わかったけどさ。 「……それ、俺もしたいなあ」 可愛くて性格の良いなんて贅沢は言わない。でもやっぱり可愛くて俺のことを好きでいてくれる子とそんなことをしたいと佐助は小声で呟く。 1/2 [mokuji] [しおりを挟む] |