にょた なぜだかにょたいになった伊達さん。 武田と同盟を組んだ設定ということでひとつ。 あと時代とか大して気にしてない。 とても…カオスです(^ω^) ◇ No magnum No life (微妙に下ネタ。閲覧注意) 太陽がさんさんと照りつける爽やかな朝。 奥州の城内では眠そうに目を細めている真田幸村と、その横で甲斐甲斐しくも若干嫌そうに世話をやく猿飛佐助がいた。 一時的にではあるが武田と伊達は同盟を結んでおり、二人は青葉城に居座っているのである。 しかし場所は変われど生活習慣は変わらずか、低血圧だという幸村は一筋縄では起きない。そのため、意識がはっきりするまでは侍女のように世話をやく佐助の姿がよく見られた。 その間抜けというかほのぼのとしている姿は、とても甲斐の若虎とそれに仕える忍だとは思えないであろう。異様だと思うのか、いつかは敵対関係に戻る者にわざわざ接点を持つ気がないのか、侍女や家来は遠巻きに眺め必要以上は声をかけようとしなかった。 しかしそれでも、のこのこと現れる物好きはいるものである。 「……眠い眠たい寝足りない、俺は眠い、眠いのだ佐助」 うわごとのようにもごもごと呟く幸村と、はいはいおてんとさんはもうとっくに昇ってるんだからアンタもしゃっきりしなさいねと佐助は、水を染みこませた布を主の顔面に押し付ける。 冷たい冷たいとわたわた暴れる幸村を抑えている佐助の視界に、なにか近づいてくるものが見えていた。 視線を向ける佐助とその視線の先に気づいた幸村が怪訝に見つめ、しかし途端に破顔する。なぜなら、布団を体にぐるぐると巻きつけ黒く鈍く光る眼帯を身につけたその人こそ、奥州の統治者、伊達政宗だったからである。 「あ、竜の旦那おは「おはようございまする政宗殿おおおおおおお!」 佐助のあいさつを邪魔して幸村が猪のように布団ごしに抱きついた。体当たりのような抱擁を受けながらも政宗は微動だにせず、声さえ発さない。 「? 政宗殿、何か今日は感触が」 いったん離れて自身の手をわきわきと動かす幸村。布団ごしなのに政宗の感触がわかるのかとか思っても言ってはいけない。だって幸村だもの。 「というかその格好、どうしたの」 「…………なかった」 まるで子供のようなその姿を不思議に思った佐助が質問するが、なにかをぼそぼそと覇気のない表情で政宗はつぶやく。 「なにが?」 「………………」 何かを伝えようとするがそのたびに顔をうつむかせ、次第には小刻みに震え出す始末である。 「え?竜の旦那どうしたの?体調悪いの?」 「なんだと!それがしが討ち取るまで死んでは駄目だ政宗殿!」 「旦那、同盟中には本心は隠すもんだよ」 「…………む、が」 さらにふるふると震え上がる様子に、まさかこの男が泣き出すのかと佐助がいよいよ困り果てた時に政宗は口を開いた。 「俺のmagnumがねえええええええええええええ!!」 はらりと落ちる布団。 着流しを身につけるその体の輪郭線は記憶の中とはまるで違う丸みを帯びた女体で。 「きゃああああああああああああああああああ破廉恥!!」 元服して数年経ってもいまだ女に免疫のない幸村が鼻血を出すのも仕方のないことなのである。 しかし両手で顔を隠しながらも指の隙間からしっかり見ているあたりが抜け目ない。 「胸ちっちゃい!じゃなくて竜の旦那が女の子になった!」 そして主人とは裏腹に臆面もなく上から下までまじまじと眺める佐助。その視線は最終的に控え目な胸の谷間に落ち着いたらしい。 「Where's my son!?」 もちろん下的な意味で。 なんでなんでと慌てる二人に俺だって知らねえんだよ!と政宗は半泣きで返す。 とにかく、そのなくなったものは自慢できるような代物だったと政宗は自称するがもはや確認するすべはない。 「えー、アンタ嘘ついてない?」 「嘘のわけがねえだろうがああああ!」 話をいつから聞いていたのか小十郎が廊下をけたたましく走り寄る。 「政宗様が目覚めた瞬間、」 「例え小さかったとしても女となった今となっては関係ないことであろう!」 女性になったのなら婿が必要でござるなはあはあ幸村。 政宗の両手を掴み結婚しようか竜の旦那とかちゃっかり切り出す佐助。 抜け駆けするな佐助!と幸村。 そんな風に朝っぱらからわいわいがやがややっていたら話が聞こえていたらしい小十郎が誰がお前らなんぞにやるかと塩を片手に登場。塩を豆のように投げつける。 幸村よける。 佐助直撃。 叫ぶ佐助。 「な、なにをするのだ片倉殿!危ないではござらんか!」 「やかましいわあああああ!政宗様は俺が手塩をかけて育てたんだ!てめえらみてえな細菌に渡すために育てたんじゃねえ!」 「だからってこれは酷いよ!痛いー痛いよー片倉の旦那ー」 「塩くせえからよんな」 「ひどっ!ひどすぎる!」 「俺っ!俺のmagnumはどこだ!?」 「政宗様!大丈夫です落ち着いてください!あなたの大切な小十郎はここに!」 「アンタどさくさに紛れて…」 「無くなった物にいつまでも固執するよりも未来を見ましょうぞ政宗殿!さあ契りを!それがしと契りを!」 「うるせえ黙れ真田!今は俺と政宗様の時間だ!外野は引っ込んでろ!」 「嫌でござる!次男坊なら家のためにと手頃な家柄の娘子と婚姻しろとか言われるのが関の山だ!誰ともわからんような者より俺は政宗殿が良い!皆が十分に納得する家柄なのも都合が良い!さあ政宗殿、この度の同盟は武田と伊達の梯ではなく真田と伊達の梯としてのものにしようではありませぬか!」 「ざけんじゃねえよ!そんなてめえの勝手な都合で政宗様をやれるわけねえだろうが!さっさと近所の姫と契ってこい!帰れ!」 「magnuuuuuuuuuuuuuuuuuum!!」 「……………」 ぎゃあぎゃあ騒ぐ一同から一歩引いてとりあえず落ち着くまでお茶でも飲むかとこそりと台所に入る佐助。 ずずーと佐助のすする音が明確に聞こえるまで一体どれだけかかったのか。 「嫁とか夢とか恋とか愛とか!そんなことより俺のmagnumがねえんだぞ!これじゃあ今まで小十郎にバレねえように、わざわざ城下に下りてまで積み上げた戦歴がパーじゃねえか!」 「そんなことばかりしてたからmagnumも愛想を尽かしたんでしょう!」 「そうだそうだ!それならそれがしの嫁になれば良いではないか!」 「だからテメェの言ってることは意味がわかんねえんだよ!」 「お前らうるせええええええ!俺はな!そういう生業ではlegend(伝説)持ってたんだぞ!アイツだってそんな扱い受けて嫌だったわけねえだろ!」 「まぐなむとやらも休みたい時だってあるのだ!きっと!」 「ええー……ああ、そうか、そういうことなのか」 「政宗様?」 「きっと俺のmagnumは休暇に入ったんだ!そうに決まってる!」 「永久的に休暇を取ってるんでしょう」 ようやく落ち着く一同。 「いい加減遊郭は諦めてください政宗様」 ため息をつきながら説得をする小十郎のあとにぽつりと佐助が呟いた。 「別に女の子同士の遊郭とかもあるんだけどねー」 「……なに?」 「そんなもんに興味を持たないでください!」 「ゆっゆゆゆゆゆゆ百合!百合!」 余計な知識を発言した佐助に枕を投げつける小十郎。 ◇ ※書いてる途中で思ったこと。にょたの設定の伊達さんは巨根(←)で、もし夜を誰かと過ごすことがあったりしたら相手が出した時に自分のと比べて思わず笑ってしまうとか楽しいと思う。 政「……………………小せえ」 言われる相手は佐助あたりだと思う。 |