モンハンの歩き方
モンハンパロ。
何が書きたかったのかと言われると。
というか色々とおかしい。


「飽きた」
「は?」
「もう人を狩るのは飽きた」
「その言い方怖いからやめてね」
「これからはハンターになる」

「なるったらなる」


幸村がモンハンに興味を持ったようです。

目の前で目を輝かせている幸村を見て佐助は思わずため息をついた。
幸村が一度決めたことは曲げないところなんて、嫌というほど知っている。そしてその気まぐれに毎回付き合わされる展開も。
面倒だ。ああ面倒だ。
「お前ならそれを生業に生きている者の一人や二人くらい知っているだろう?今から案内してくれ」

「アンタねえ、そんな特殊な職業の人なんかそうそういるもんじゃ……あ」
「いるのか!」
「いた、ねえ一人」




「で、俺の所に来たのか」
「せまり来る輩をぐしゃーっと千切っては投げ千切っては投げぼっこぼこにしてやるのでござる」
「頭の足りない人なんです」
「……アンタがハンターになりたいってことはよくわかった」
「だったら!」
「まあ待てよ、ひとつ条件がある」
「どうせお前は大剣や太刀あたりでざくざく飛竜を切り刻みたいとか思ってんだろ」「その言い方やめてよ」
有無を言わさぬ政宗の言葉にふんふんと夢中で頷く幸村と思わず言葉をもらす佐助。
「しかし、俺はハンマーしか教えねえ!」
「な、なんと!」
「えー」
「大剣、太刀、ランスに双剣、片手剣……そんな武器の花形とも言える獲物を敢えて外し、周りの仲間達が優雅にやれ尻尾切ったやれ爪を壊したぞとか喜ぶ中、ひとり頭を壊すことだけに集中する。そんな地味な役割に命をかけてみるのもいいじゃねえか!」
「おおおお、なんという深い考え!この幸村酷く感嘆いたしましたぞ!」
「そんなこと言ってアンタ本当はハンマー以外使えな…」
いんじゃないの。という佐助の言葉は政宗の眼光に飲み込まれた。
「なんか言ったか」
「いいえ、別に」

「おお!これがハンマーでござるか」
「馬っ鹿!家の中では振り回すんじゃねえよ!危ねえな!」
場所を政宗の家に移し
「ねえ伊達の旦那ぁ、俺にはこれちょっと重すぎるんだけど」
「はあ?軟弱ぶってんじゃねえよ」
「いやだなあ、軟弱ぶってなんかいませんよ。どこかの体力ばかりが有り余ってどうしようもないわがままな人と比べたら、か弱い俺様にはお箸でも重いくらいなんですよう」
両手を顔の横で合わせ、くねっと体を曲げる佐助。
「気っ持ち悪い」
「まあまあ、一人くらい動きの速いサポート役がいたっていいじゃない」
「……勝手にしな」
「じゃあこの骨の剣借りるよ」
そう言い両手で獲物を軽く振る佐助。どうやら小振りな片手剣を選んだらしい。
「準備したな?よし、今からお前らに、ハンターなら誰しもお世話になる先生に合わせてやるぜ」
「先生?」
顔を見合わせる幸村と佐助。

とりあえず三人でクエスト。in森丘。

「目的地に着きました。」
「着いたでござるー」
「さてと、まずは武器に慣れることが大事だな」
「背中に背負うのは結構辛いでござる」
「頑張れ旦那ー」
「一人だけそんな軽い武器持つとは……佐助!貴様男としての意地はどうした!下についているそれはなんだ、飾りか!このカマ野郎が」
「応援しているのになにこの仕打ち」

「お前らいい加減にしろ。……ほら、あそこに草食ってるのいるだろ?あれがアプケロスっていう奴な。俺的にはアイツから取れる生肉にはよくお世話になってるから生肉って呼んでる」
「なんという」
「生肉覚悟でござるー!」
「あ、ちょっと、旦那!」
「こけやがった」
「重い!重いぞ!佐助ー助けてくれー」


「ふたりとも、おっそいんだけど」
片手剣を小さく振り回し攻撃する佐助の背後で、のたのた武器を構えながら政宗と幸村は通称生肉に近寄る。
「はっ!ハンマーに速度なんかいらねえんだよ!一撃必殺こそ男の華さ!」
武器の届く位置まで近づき、どすーんと獲物を生肉ごと地面に叩きつける政宗。
「おおー」
少し離れた佐助の足元さえも揺らすその威力に思わず拍手を送る。どんなもんだと政宗は誇らしげに胸を張った。
そのままハンマーの魅力はここだとあれやこれや説明を始めようとするが後ろから聞こえる悲鳴に振り返る。

「うあああああ!ま、政宗殿!目が回る!止まらん!」
勢い余り、幸村がぐるぐるハンマーを振り回していた。むしろハンマーに振り回されている言ったほうが正しい。

「馬っ鹿!攻撃する時は止まるもんだ!」
「あーあ、逃げちゃった」
もちろんそんなことをしていたら生肉も自身に危機が降りかかっていることに気づくだろう。気づけばさっきまで辺り一面にいた生肉の姿はどこにもない。大方安全な場所に逃げ出したようだ。
「…まあいい、とりあえず俺と佐助のだけ剥ぐぞ」
そう言い政宗は腰元に差してある小さなナイフを取り出し、足元で息絶えたそれに突き刺した。その反動で血とその臭いが一層に溢れ出す。独特な臭いに頭が少しくらくらしたが臆せず骨と肉を切り離した。刃先を動かす度にぶちぶちと繊維の切れる音に構わず、ナイフをさらに奥に突き立てる。顔に跳ねる血を拭うことさえせずに肉食獣のように牙をむいた。
その様を唖然と眺めていた二人に向き合い政宗は唇をにいっと上げた。
「生肉」
「え?」
手元も見ずに刃先を横に滑らせて胴体から切り離されたそれを掲げる。
「これが生肉。」

突っ立ってないでアンタらもやれと政宗は立ち上がり二人を小突いた。

「生肉ゲットー」
「生肉、と竜骨(小)ってのが出たよ」
「竜骨いらねえ、捨てろ」
「はーい」
「政宗殿、この生肉を何に使うのですか?」
「OK ちょっと待ってな」
ごそごそと腰の袋から何かを取り出し組み立て始める。佐助が部品をひとつ手に取ると『携帯用肉焼き機(支給品)』とシールが貼ってあることに気づいた。
「この肉、食べるの?」
「狩りに行く時はスタミナ付けないと大変なんだよ」
そう言い政宗は簡易的な椅子に腰を下ろす。さっき生肉から拝借した生肉を取り出し、両側に飛び出た骨ををそこにはめ込むように置く。片側の骨を持ってくるくる回しながら肉に火を当てていった。
焼いている途中、陽気な音楽がどこからか聞こえたような気がする。
「上手に焼けましたー」
肉を上に持ち上げ政宗は嬉しそうに笑う。ほら、お前らもやってみろよと椅子から腰を上げる。
「はい、上手に焼けましたっと」
「上出来、上出来」
「む、ズルいぞ佐助!何故佐助が出来るのにそれがしの生肉は焦げたり生焼けなのだ!加減とか、わからぬ!」
幸村の手にある炭化したコゲ肉と、ぶよぶよな生焼け肉を悔しげに持ち上げた。

「まあ、一応は食えるから気にすんな。大体最近はそういう専門職がいるから毎度こんな面倒な思いをしなくても雇えばなんでもやってくれる」
どうやらハンター業界にも新しい企業の波が来ているらしい。
「なんと!」
「ほら、俺の分けてやるからいつまでも両手挙げてんな」
「……かたじけない」


先生発見。

「さあて、」
青い装飾をはためかし獲物の位置を確認する。

「敵さんのお出ましだ」

同時に政宗は走り出す。怪鳥の足元まで潜り背中に背負っていた獲物を反動で取り出し、振り上げた。重い衝撃が手に伝わる。その衝撃を食らった怪鳥はキツツキのようにくちばしを突き出す。しかし政宗は転がるように身を前に投げ出しそれを避けた。すぐさま身を翻し二人に声をかけた。

「さあ、partyのはじまりだ!」


(戦闘シーンが思いつかないよ)
(とりあえずあとから矛盾がない程度に書くよ)

先生撤退。

「あ、やり忘れてた」
政宗はごそごそと腰に付けていた袋の中からピンク色の球体を出した。

「む?政宗殿、それはなんでござるか」
「これか?これはペイントボールさ」
「ペイントボール?」
「今みたいに敵さんに逃げられた時に、もう一度探し直すのは面倒だろ?だからこうやって」
べちゃ。間抜けな音を立てて獲物を砥石で研いでいた佐助に当たる。

「目立つ色に染める」
その衝撃で葉にくるまれているピンクの実がつぶれた。
「おお!なるほど!」
「…………おい」
「む、どうした佐助」
「生肉色が綺麗だぜ佐助」
「生肉色はやめろ!というか、おい!」
「お前の頭の色なんかもう何色になってるのかわからんでござる」
「うるせえ!」
「しばらく経ったら勝手に取れるから気にすんな。それよりも、あの方向は……森か」
「お前ら、覚えてろよ……」



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