夢日記2018/01/22 | ナノ


最後の一日


 今日が最後の一日と知ったとき、私は、あなたは、何を思うだろうか。

 気がついたときにはすでに、私の寿命はあと一日になっていた。母と父は知っていた。
 一緒に暮らしている祖父母も知っていた。友達は知らないようだった。

 世界にはなんの変化もなくて、ただ一つ、私の時計だけが壊れてしまったみたいに。
 誰から知らされたわけでもなく、ああ私は今日死ぬのか、と悟った。
 不思議と未練はなかった。
 もっとやりたいことたくさんあったはずなのに、どういうわけか私は人としての幸せを求めた。
 母は私の好物のうどんやカレーを作ってくれたし、父は近場のショッピングモールに私を連れていって、大好きなキャラクターの大きなクッションを買ってくれた。
 私がいなくなることを知っているみんなが、私に優しくしてくれた。
 温かいお風呂にも入れてくれた。
 結婚式の前夜のように、きれいに身だしなみも整えてくれた。

 もうすぐ、私という存在が世界からいなくなる。
 もっとたくさんの人にありがとうを言いたかった。
 一日がこんなに早く感じたのは初めてだった。
 私はできるだけ長く家族と一緒にいた。
 だんだん眠たくなって、近くの椅子に寄りかかって、もう寝るね、と言って目をつぶった。

 その後のことは、何もわからない。

夢日記 2018/01/22

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