Sky is the limit! | ナノ
休日の私の朝は、基本的に9時前後。なのに、
「やあ梓ちゃん。おはよう」
「・・・幸村くん?」
「そうだよ」
「えっと・・・おはよう。私、番号教えたっけ?」
「ううん、教えてもらってないよ」
じゃあどうして知ってるの、なんてとてもじゃないけど怖くて聞けなかった。だってプライバシーとかなくなりそうな気がする。
「こんな朝早くに何か用?」
そう、現在の時刻は6時53分。昨日合宿から帰ってきたばかりだというのに一体何の用だ。
「ごめんね。今日暇?」
「・・・暇、だけど」
「良かった。じゃあ練習に来てよ」
「へ?」
「だから、テニス部の練習。いつでも良いから。あ、でも昼までにね。それじゃあ」
ブチッと言って携帯からは通話終了の音が流れる。そうですか、私には拒否権がないんですか。しかしまだ7時前だし、もう少し寝よう。きっとそれくらいなら許されるだろう。なんたって昨日はあまり寝付けなかったんだから。今なら、結構寝れる気がする。
2012/04/05.END.