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ドリンクがそろそろ無くなるだろうと予想し、新しくドリンクが入ったボトルを貰い運ぶ。因みに昨日まで私は籠に入れてボトルを運んでいたわけだが、つい先程カートという便利なものをメイドさんが貸してくださった。

「いやはや、楽ちんである」

ガラガラと音を立てながら歩いていれば、丁度ドリンクを置いていた場所に見覚えのある姿が。あの姿を間違えるはずがない。だってあんな色は彼ぐらいだろう。健康的・・・若干日に当たりすぎのような気もするが、きっと彼は健康的なんだろう。

「ジャッカルくん、」

「梓!」

私が声を掛ければすぐさまこちらへ走ってきて「俺が運ぶ」と、私の手からカートを奪い取った。・・・なんかかっこいいぞ。

「そういえばここに立ってたけどどうしたの?」

「あ、いや・・・ドリンクを貰おうと思ってな」

はははと苦笑するジャッカルくん。近くにあったボトルを次々と手に取れば、確かに中身が入っているものが無い。

「ごめん」

「別に梓が謝ることじゃねぇよ。俺のタイミングも悪かったわけだし」

「いや、本当にごめん。今度から気をつけるよ」

もしこのドリンクを取りに来た人がジャッカルくん以外だったらどうなっていたのだろうか。きっと面倒な事になっていたに違いない。ジャッカルくんは今もって来たボトルの1つを取って、練習へ戻って行った。

「もう少し置いておく量増やすかな・・・」

「独り言か?」

ボソリと小さく呟いたのを誰かに聞かれたらしく、振り向けば黒髪のツンツンした人が立っていた。えーっと、確か・・・

「氷帝の、」

「宍戸亮だ。よろしくな」

「あ、はい・・・どうも」

宍戸くんはドリンクを取るとその場でごくごくと飲み干す。

「あの、」

「なんだ?」

「ドリンクの置いてある量って少ないですか?」

「へ?あー・・・そうだな、もう少しあってもいいかもしれねぇな」

「そう、ですか」

「まぁ1時間毎ぐらいで見に来たら良いんじゃねぇか?」

「・・・わかりました。ありがとうございます」

「別に礼を言われるようなことはしてねぇって。むしろ俺らが感謝しなきゃだろ?」

ありがとな、と言ってから宍戸くんはテニスコートへ戻って行った。

「これからは1時間毎に見に来るか・・・」

面倒だけどという言葉を飲み込んで、もう少しだけドリンクを貰いに厨房まで戻った。あ、タオルも少し冷やしてたほうが良いかな・・・。

  

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