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じゃあ後は頼むなと言い残し、オサム兄はどこかへ行ってしまった。オサム兄から頼まれたとはいえこんな男子ばっかりのところに置き去りにしないで欲しかった。俯きながら溜め息をついたところで、視界に誰かの足が入った。

「ねぇ先輩。俺と試合してよ」

ラケットを脇に挟んで立っていたのは、確か青学1年の・・・

「越前くん、だっけ?んー、また今度じゃダメかな?」

「・・・なんでっスか?」

「いやぁ、日差し強くってさ」

ははは、と笑えば呆れたような顔をされた。仕方ないじゃないか、普段はあまり日の当たる場所に出ないんだから。

「じゃあ、約束してください」

「約束?」

「必ず俺と試合するって」

「・・・別に良いけど」

そう言うと心なしか嬉しそうな顔をして「絶対っスよ!」と言い残し越前くんは去っていった。
越前くんが去ってからどうしようかと周囲を見回したら、泣きボクロこと跡部くんと目が合った。一瞬眉を寄せられたが、すぐに何事も無かったような顔をして手招きされる。跡部くんの周りには白石くんと青学の手塚くん、立海の幸村くんが集まっていた。確かみんな部長、だっけ?

「なんでしょうか」

「これからの練習内容について話すぞ」

スラスラと紙を見ながら喋る跡部くんは、なんか様になっていると思う。タイムスケジュールや個人練習などの説明をしたが、私にはあまり関係がないような気がする。

「梓には試合と、空いた時間にサポートをしてもらいたい」

「サポート?」

「あぁ。とりあえずタオルとドリンクの準備をしてくれたら良い」

「わかった。あとさ、私1日に1試合しかしないから」

「・・・は?」

「その方がやる気出るデショ?」

「・・・チッ、まぁいい」

以上だと跡部くんが言ってから白石くん達は各学校で練習しているところへ行った。

「まさか渡邊さんがテニス出来るなんて思わなかったよ」

「・・・そりゃどーも。あと渡邊ってややこしいんで名前で呼んでもらえますか?」

「梓、ちゃんで合ってるかな」

「そうです。他に何か用ですか?幸村くん」

「ふふ、別に」

笑顔を見せてから、幸村くんも立海が練習している場所へ歩いて行った。それにしても、ジャージって肩に羽織ってるだけなのに落ちないのかな・・・?

  

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