貧乏少女M | ナノ
テストも無事終了し、いつも通りの生活がまた始まった。授業も次のテストに向けて進むし、休み時間になれば友達と喋って。ただ一つ違うのは、今日の朝やった席替えだ。やぎゅが隣の時はまだ寝たりしても多少怒られる程度だったのが、なんとやぎゅと弦ちゃんに両脇を固められてしまった。
「……そりゃないぜ」
「宮下、授業中の私語は慎まんか」
「そうですよ、宮下さん」
しかも席は教室の真ん中。みんなクスクス笑ってるんですけど。なにこれ、いじめですかこんにゃろー。
「……しーちゃん、」
「授業中」
席替えしても前の席がしーちゃんだったことには感謝だ。
4時間目が終わる頃には心身共に疲れきってました。ごそごそと鞄からパンの耳を取り出して、しーちゃんと机をくっつけた。まぁそこまでは普段通りだとしよう。
「なんでやぎゅと弦ちゃんも机くっつけてんの?」
「む、駄目か?」
「いや、私は構わんが…しーちゃん、良い?」
「別にイイケド」
「それじゃあ失礼しますね」
三人がお弁当、しかもめっちゃ手の込んだお弁当、を食べている。なのに私ってばパンの耳とか…いや、美味しいんだけどね!でもおかず美味しそうだな…。
「友里、思考駄々漏れしてる」
「なんだと…!?」
しーちゃんに指摘された。くそう…だって美味しそうなんだもん!
「宮下さんシュウマイ食べますか?」
「!え、良いの…?」
「まだありますから」
「ありがとうやぎゅ大好き!」
「……宮下、これもやろう」
「たまご焼き…!ありがと弦ちゃん!」
やぎゅの弁当蓋に次々と乗せられるおかず達。
「っ、私は幸せ者だよ…!」
「その前に普通じゃないんだけどね」
しーちゃんが何か言ってるが気にしない。とりあえず私は幸せなんだ。
それから昼休みは四人でお喋り。廊下を通りすぎる人達が二度見していた。
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