貧乏少女M | ナノ
今日は部活が早く終わるから待ってろ。だってさ。レンレンってば相変わらず強情なんだから。そして見たいテレビがあるからって先に帰ったしーちゃんの薄情者!
「あれ、パンの耳先輩じゃないっスか」
「おお、切原少年!」
校門でレンレンを待っていたら、何故か切原少年と出会った。あれ、そういえばこのでっかいバッグ…レンレンも似たようなの持ってた気がする。
「切原少年はレンレンと同じ部活?」
「?レンレンって誰っスか」
「赤也」
横から割り込む形で声を発したのは、なんとびっくり、ゆっきーでした。今日も相変わらず美しいことで。
「ゆ、幸村部長…!」
「赤也が逃げようとしていた確率96%」
「あ、レンレン!」
「柳先輩!って…え、レンレン!?」
「…その呼び方は止めろと言っただろ」
「すいまそーりー。だから目ぇ開けないで!」
怖いよ、すっごく怖いよ!なんて話してたら、たるんどる!って怒鳴り声が聞こえた。気がつくと周りには同じようなバッグを持っている。
「ねぇ、蓮二達ってみんな一緒の部活なの?」
「あぁ、テニス部だ」
「ふぅん」
「知らなかったのかよぃ」
「逆に感心するぜよ」
聞くとみんなテニス部レギュラーらしい。
「ところでさ、なんで部活早く終わったの?」
いつもは夜遅くまで練習してるんじゃないの、という言葉を続ける予定だったが、みんなが私を凝視するものだから言えなかった。全く、なんだってんだ!
「テスト1週間前だ」
「へ?」
「テスト前だからな、みんなで勉強会をする事になったんだ」
「へぇ…蓮二、私帰って良い?」
「赤也に勉強を教えてくれればパフェを奢ってやろう」
「さあ行こう!みんな早く!」
「心変わり早っ」
切原少年が何か言ってたが気にしない。あぁ…パフェなんていつ以来だろう…!
「柳先輩、パンの耳先輩って頭良いんっスか?ぶっちゃけ悪そうに見えるんスけど」
「(パンの耳先輩…?)友里は学年一位の成績だ」
「……えぇっ!?マジっスか!」
なんて会話が宮下の後ろでは繰り広げられていたが、パフェに夢中の宮下が気づくはずもなく。
→続く
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