貧乏少女M | ナノ

 

先生に地図を持ってこいと頼まれた。いつもならしーちゃんと一緒に行くんだけど、今日は珍しくしーちゃんが休み。なんでもバスケ部の試合だとか。そのせいで休み時間にもらえるお菓子がない。

「ううっ、私はお腹の空きすぎで死んでしまうよ…」

なんてぼやきながら廊下を歩いてたら、教室から出てきた誰かとぶつかった。人が傷心してる時に誰だ!キッて睨み付けるように相手を見たら、

「うわ、宮下大丈夫か!?」

「っ、ジャコぉおおおお!」

去年同じクラスで仲良くなったジャコーだった。懐かしさのあまり抱きついたが、すぐにジャコーによって引き離された。

「こんなとこでなにしてんだよ」

「特になにも」

「はぁ?あ、そうだ、宮下にこれやるよ」

はいと手渡されたのは飴玉3つ。

「…ジャコー、お前は神様か!」

「はぁ?」

「ありがとうマジお腹減ってたんだ」

「そりゃ良かった」

ぐしゃりと頭を撫でられた。去年はジャコーにもいろんなもの(主に食べ物)をわけてもらったなぁ、なんて。飴を一つ袋から出して、口の中に放り込んだ。あ、レモン味だ。

「じゃあ、授業に遅れんなよ」

「ん。またね、ジャコー!」

「おう、またな」

バイバイと手を振ってジャコーと別れる。私も教室帰ろ。



あれ、なんであっちまで行ってたんだっけ?

「宮下、頼んだ地図は?」

「……あ、」

「…今すぐ取ってこい」

「アイアイサー」





 

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