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この家にキセキの世代と呼ばれた僕達が集まったのはつい先日で、大学が始まるにもまだ数日時間がある。間取りの関係上1部屋余ったそこは倉庫にでもしようかとぼんやりと思っていた時、スマホが鳴り響いた。
「はい、」
『征十郎?お母さんだけど、元気にしてる?たまには連絡くらいしなさいよね、もう!』
「ごめんごめん、わかってるよ。それで?」
『あ、そうだった。征十郎の住んでるところ部屋余ってるって言ったわよね?』
「・・・まあ、一部屋なら」
『私の親友の娘さんがね、今年から征十郎達と同じ大学に行くらしいんだけど、アパートがないんですって』
「・・・まさか、」
『一緒に住まわせてくれないかしら?』
昔から母は突拍子のないことを言うことが多かった。が、今回のはどういうことだ。見ず知らずの人間と同じ家で暮らせというのか。
「・・・ちなみに断ったら?」
『うーん、難しいわねぇ・・・野宿かしら』
「・・・・・・はあ、仕方ない。わかったよ。でも、何か仕出かしたら追い出すからね」
『あら、大丈夫よ!きっと気に入ると思うわ』
二言三言告げてから、母は電話を切った。全く、厄介な事を押し付けてくれたものだ。
「あ、そういえばいつ来るのか聞いてなかった・・・」