楽しければ全ておk | ナノ
私はワラワラ動画という動画サイトで、絵や歌などをうpしている。HN(ハンドルネーム)は大福。なぜ大福かって?そんなの大福が好きだからに決まってるじゃないか。うん、まあそんな事は置いといて、
「なあ、聞いてんのか?」
「あ、はい。えっと、え?」
「・・・だから、アンタが大福さんかって聞いてんねん」
「えーと、確かに大福ってハンネ使ってるけど・・・」
偉く真剣な顔をした見知らぬ男子にそう答えれば、途端に右手を差し出してきた。意味がわからずに彼を見れば、少し照れ臭そうに「握手、お願いします」とだけ呟いた。もうすでに私の頭は回らなくなっているので、ゆっくりと握手をすれば見知らぬ男子は満足したように笑った。
「俺、財前光。中2や」
「へ?あ・・・雑賀奈緒、同じく中2。えっと、財前くん、」
「光」
「は?」
「イトコやのに苗字っておかしいやろ」
「・・・それもそうだね。えっと、光くんは」
「光」
「・・・ん?」
「呼び捨てでかまへん」
「あ、さいですか・・・」
なんというか、彼・・・光は唯我独尊だと思う。周りの事ととか気にしなさそう。
「なんで私が大福だってわかったの?」
「そりゃ、そのラフ見たらわかるやろ。俺の曲やったし」
ラフ画見ただけでわかるとか・・・しかもこれ昨日うpした善哉Pの曲のやつ・・・ん?
「俺の曲?」
「昨日うpしたPVやろ?」
「うん。善哉Pのやつだけど」
「せやな」
「・・・んん?」
「奈緒は馬鹿か。せやから、俺が善哉やゆーてんのや」
「・・・・・・・・えぇえええ!!」
多分今日一番の大声を出した。