ブレス | ナノ

 
毎朝恒例


ガチャリと音がしてドアが開く。そのドアから出てきたのはまだ幼い家族のちひろ。ところどころ髪の毛に寝癖がついているが、それもまだ気にしない年頃で、未だ眠そうに目を擦っている。

「あら。おはよう、ちひろ」

「・・・ゆーちゃん、おはよ」

「お顔洗ってきなさい」

「ん、」

ちひろに声をかけるのはソファに座っている仁王家の長女、優香。現在の時刻、6時5分。6歳にしては早起きすぎるんじゃないかと思うものの、当の本人であるちひろは何とも思っていないみたいだから、家族も何も言わない。顔を洗い終わってきたのか先程よりも大きく開いた目でリビングに入ってくるちひろ。

「ちひろちゃん、雅治起こしてきてくれる?」

「ん!」

キッチンから顔だけを出して頼む母に元気よく返事をして、二階へと向かう。少しだけ背伸びをしてドアを開ける姿は何とも可愛い(姉談)。ベッドには大きなふくらみがあり、まだ寝ていることが分かる。布団ごとゆさゆさと揺すってみるも起きる気配など無く、またいつもの様にベッドの上によじ登り、雅治の上に跨る。

「まーくん、あさだよ」

「・・・」

「まーくん、おっきしないと」

全身を使って揺さぶり、起きるように促す。

「んぅ・・・ちひろ?」

「おはよ」

「・・・おはよう、」

雅治が起きたのを確認して、足からベッドを降りた。むくりと起き上がった雅治もまた、髪の毛に寝癖がついているが気にしてないようだった。それから二人でリビングへと戻り、朝食を食べる事に。

「ちひろ、ケチャップがついとる」

「あー、」

 

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