ブレス | ナノ

 
小話

朝、珍しく早く目が覚めたからいつもギリギリにしか学校に着かないのに今日は15分くらい早く着いてしまった。部室で練習着に着替え、ラケットを手に部室を出たところ、制服もぐちゃぐちゃに着こなした丸井が物凄い形相で走ってきた。


「ゆゆゆ、幸村君!」

「なんだい、丸井」

「昨日の映画、なんなんだよぃ!」

「さぁ、それぞれ違うのを渡したからなぁ…」

「あれホラーどころの話じゃないだろぃ!一体どこで手に入れたんだよぃ…!」

「ふふ、どこだったかなぁ」


にこりと笑う幸村と、この世の終わりでも見たかのような丸井の表情の差に、少しだけ身震いをした。



「今回は丸井だったようだな」

「参謀は一度もアレに合ったことがないじゃろ」

「…データがあるからな」

「まったく…幸村のお遊びもほどほどにしてほしいもんじゃ」



「ふふ、今度はいつにしようかなぁ…」

『………』

 

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