再海 | ナノ
赤髪海賊団の船に乗って2日目。昨日の夜は私の歓迎会という名の宴でどんちゃん騒ぎだったせいか、甲板では数名が未だに酔い潰れている。
42:これからの役割について
私の部屋はシャンクスさんの隣に設けられた。シャンクスさんは私の前は物置だったと豪語していたが、明らかに人が使っていたであろう雰囲気だった。追い出されてしまった人、すみません。船内の構造もまだわからないので適当に歩く。
「サラ?」
「あ、ベックマンさん!」
「・・・ベンで良い」
背後から声を掛けてきたのはベックマン・・・ベンさんで。手には海図やらを大量に持っていた。
「手伝いますか?」
「いや、平気だ。それよりどうかしたのか?」
「え?」
「船内をうろついてるって報告があったんだが」
「あ、勝手にすみません」
「別に構わねェが、お頭が探してたぞ」
少し呆れたようにベンさんが言った後に、少し遠くのほうで私の名前を大声で叫ぶシャンクスさんの声が聞こえてきた。それはもう船全体に聞こえてるんじゃないかって思うくらいに。苦笑しながらベンさんにお礼を言って、シャンクスさんの声のする方へ小走りで行く。
「シャンクスさん!」
「お、サラ!探したぞ!」
昔と変わらずに私を見つけてはニコニコしながら近づいてくる。そして手が届く位置まで来ると、ぐりぐりと少し乱暴に頭を撫でまわされる。別に髪型が・・・、と気にするような性格でもないが、多少は気にするんだけどな。
「どうしたんですか?」
「あァ、サラにも仕事をしてもらおうと思ってな。どうせ暇だろ?」
「そうですね、ありがたいです」
「んじゃなにすっかなァ・・・」
「あー・・・雑用ならある程度できますけど」
「ん?雑用かァ・・ま、それが良いな!」
雑用、と一言で言ってもいろいろとあるわけで、私が任されたのは掃除・洗濯・調理補助だった。まあ妥当といったところだろう。とりあえず手始めに、食堂へと2人で歩き始めた。