再海 | ナノ
「白ひげさん、二人だけでお話できないでしょうか?」
「なっ、テメェなに言ってんだよい!」
「マルコ、少し部屋から出てろ」
「親父!?」
「グララララ!心配いらねェよ」
物は試しで言ってみるもんだ。本当に白ひげさんと二人でお話できるとは・・・。しかしあの金髪さんの出て行くときのオーラは凄まじく、ぞくりと背筋が粟立った。
02:今からの事を考えさせてください
親父の部屋に突然現れた女。「ただいま」なんてのん気に言いながら親父の部屋の入り口を開けた。
「・・・何者だよい?」
すでに船は島を出港して3日は過ぎている。その間どこに隠れてた?それとも誰かが勝手に女乗せたのか?それなら親父の部屋には絶対ェ近づけないはずだい。それにあの女は変な格好をしていた。あんな服装見たことねェ。それに親父と二人で話したいだなんて普通の女、ましてまだ17・8ぐらいの小娘が言えるわけないよい。・・・一体誰なんだ?
無意識のうちに足は甲板に向かっていて、外への入り口を開けたら眩しいほどの太陽の光があった。
「マルコ、そんな面してどうしたんだよ」
「・・・エースかい」
「眉間にしわ寄ってるぞ」
「うるせェよい」
「なんかあったのか?」
甲板に出てみればすぐにエースが近寄ってきた。自分の眉間を指差しながらニヤニヤと笑いながら。そんなに酷ェ顔してんのかよい・・・。
「――という感じなんですよね」
「グララララ!そうだったのか」
白ひげさんにここに来た経緯を話せば豪快に笑ってくれた。うん、笑い声が低くて体の中に響く気がする。白ひげさんと目を合わせようと思えば首が痛くなるほど見上げなければならなくて、正直に言えば今首が超痛い。そりゃもう寝違えた時みたいに。
「で、お前ェはどうすんだ?」
「・・・どうしましょうか」
「ここに居ればいいじゃねェか」
「!いいんですか?」
「グララララ!当たり前ェだ。他に行くとこもないんだろ?ならおれの娘になれ!」
「っはい!」
船内全体に響くような(船の大きさ知らないけど)声で堂々と娘宣言されました。途端どこからかこの部屋に向かって廊下をドタドタと慌しく走る音が近づいてきた。うん、なんとなく誰だか分かるけどね。きっと最初に会ったあの人だよ。
予想は見事に的中して、バンッと勢いよく入り口が開きそこから金髪の人が現れた。
「親父・・・おれはこんな得体の知れない奴認めないよい!」
「おいマルコっ」
金髪の人が白ひげさんに向かって叫んでるのを止めるように、後ろからオレンジ色の帽子を被った半裸の人が出てきた。