再海 | ナノ

 
青空が広がる空に、地平線まで続く海。まさにお洗濯日和というもので、私は朝からせっせと洗濯物干しをしている。因みにガロンさんとエレルさんも一緒に手伝ってくれている。エレルさんはきちんとしわまで伸ばしているが、ガロンさんは乾けば良いと思っているのかいつも適当に干している。まあそれをあとでエレルさんがしわを伸ばしているなんて知らないんだろうけども。あぁ、それにしても良い天気だ。


18:暇な時の過ごし方


真っ白・・・とは言えないが、洗う前よりかは幾分か白くなった洗濯物達が風に揺れる。今日のこの天気だったらすぐに乾くだろう。

「ガロンさん、エレルさん、次はなにするんですか?」

「おれ達は訓練だ!なァ、エレル!」

「・・・だそうだ。手伝ってやれなくて悪いな」

「大丈夫です。二人とも頑張ってくださいね」

ひらひらと手を振りながら二人は船尾の方へ歩いていった。私も次の仕事を探そうと考えるが、いつもやっているサッチさんの手伝いにはまだ時間が早いし、甲板の掃除も洗濯物を干す前に終わっている。つまりは、暇。

「うーん・・・あ、」

頭をフル回転させて出てきたのはこの船の船長である親父さんの顔。うん、いつもお酒飲んでるだけだし話し相手ぐらいには私がなれるだろう。それにもしかしたらリジーさんも居るかもだし。くるりと船尾へ向けていた体を船内の方へ向け歩き出した。親父さんの部屋は船内の奥の方で、廊下を真っ直ぐ歩いていけばつく造りになっている。敵が来た時なんか大丈夫かなと思うが、まあ親父さんに勝てる人なんてそうそう居ないからきっと大丈夫なんだろう。

――コンコン

日本では考えられないような大きさの扉(こっちでは普通)を二回ノックすれば、中から誰だ、と親父さんの声がした。サラですと答えれば入れと返ってきた。大きい扉を体全体を使って開ければ、中央に親父さん。そして親父さんの前にはマルコさんが居た。

「・・・お話中でしたか?」

「気にするこたァねェ。次の島の情報を聞いてただけだ」

「サラも聞くかい?」

「・・・お願いします」

「それじゃァ話すよい。次の島は冬島、ここらじゃ治安が悪くて有名だねい。海賊、賞金稼ぎ共にごろごろ居るらしいよい。海賊同士のいざこざも絶えねェって話だ」

「グララララ・・・!それじゃァ息子達には注意させねェとなァ」

「ナース達とサラは絶対に船から降りるなよい」

「・・・え゙!?」

「・・・今の話聞いて降りられると思ってたのかよい・・」

もちろん降りる気満々でしたなんてとても言えるわけがなく(マルコさんの目が怖かった)。私は呆気なく次の島での留守番が決まった。


 

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