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シュリが弁当を作ってくれるってんで、昼休みのチャイムと同時に教室を出て屋上へ向かう。当然の如くマルコも一緒だが。今日はおれ、マルコ、ルフィ、そしてシュリの4人での昼飯になるんだが、どうやらまだシュリの飯を食ったことがないのはおれだけらしい。・・・ちょっとした敗北感。

ガチャッと屋上のドアを開ければ、ルフィの「早く」と急かす声が聞こえる。が、屋上を見ても誰も居なくてマルコに聞こうと思ったら既に入り口の上の方に上がっている最中だった。確かにルフィとシュリの声もそこから聞こえる。梯子を上れば、そこには弁当が数個並んでいた。

「あ、エース先輩!」

おれを見るなりパッと笑顔を見せてくれる。どうぞと促された場所はルフィの前で、マルコとシュリの隣。やっと広げてある弁当の中を見てみれば、彩りよく詰められた弁当。

「こりゃすげェな」

「!ありがとうございます。お口に合えば良いんですけど・・・」

「シュリ!もう食って良いのか?!」

「はい、どうぞ!私の分はちゃんと残してね」

ルフィの一言で優雅とは全くかけ離れた昼食がスタートした。マルコとシュリはルフィがもの凄く食べるのを知ってるのか、先に自分達の分は別の皿に移していた。

さて、どれから食べようかと迷っていたが、迷ってる間にルフィの手がどんどんと伸びるもんで、結局は近くにあったものから食べていく事にする。目に入ったのは綺麗な形をした卵焼き。箸で取って口に運べば、ふんわりとした食感に甘さ控えめの味。

「・・・うめェ!」

「本当ですか!?良かったぁ」

ほっと胸を撫で下ろすシュリをちらりと横目で見たら、本当に嬉しいというような笑顔をしていて。どくり、と心臓が波打つのを隠すように次々と食べ物を口に運んだ。

「ぷっはー!食った食った!相変わらずシュリの飯はうめェな!」

「ふふ、ありがとう。エース先輩のお口にも合ったようなので良かったです」

「あァ、本当にありがとな!」

「私のほうこそ昨日はありがとうございました」

ものの10分くらいで食べ終えた後は、チャイムが鳴るまで4人で談笑。あの先生が誰と付き合ってるとか、購買のパンを買うのは戦争だとか、どこにでもありふれたような数十分が凄く楽しく思えた。

「じゃあな、エース!」

「午後の授業寝るんじゃねェぞ」

「・・・お、おう」

「エース先輩、またいつでも家に来て下さいね!」

「良いのか?」

「大歓迎です!じゃあ、私も行きますね。マルコ、帰りもよろしく!」

「・・・分かってるよい」

弁当箱を持って階段を下りていくシュリを見ながら、隣のマルコを見れば苦虫を噛み潰したような表情をしていた。

「なァマルコ」

「なんだよい」

「帰りって、なに」

「・・・家が近いからねい。それに今日は弁当箱もあるしな」

「・・・そうか」

この時、ちょっとだけマルコが羨ましいなんて思いながら、おれ達も階段を下りた。


手作りお弁当

 

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