拍手お礼 | ナノ
とりあえず座っててと言われたので、仁王と一緒に床に座った。その時、ゾクリと背筋に悪寒が走った。やっぱヤバくね?チラリと仁王を見れば、どことなく顔を青くしているような気がする。そんな時、お盆にお茶を載せて苗字が来た。
「あ、美代子さんそんな事しちゃダメだよ」
みよこさんって誰!?もしかして今さっき俺に悪寒が走ったのってその人・・・人?のせいなのか?
「ごめんねー、狭くて」
「いや、大丈夫だよぃ」
冷や汗がだらだらと流れているような気がする。だけど、良く考えてみろ。幽霊だろうとお茶を出しているって事はきっとそんなに悪くない奴に違いない。アレだ、幽霊友達みたいな感じだろ。あんまり深く考え込んだらキリがない。
「なぁ、苗字ってユーレイとか見えんの?」
「へ?」
「だから、幽霊」
「あ、うん。見えるよ」
「ここ、ヤバイんじゃなか?」
「そんなことないよー」
会話に入ってきた仁王に視線を移せば、顔を真っ青にさせていた。こんな顔始めて見たと思ったけど、多分俺も仁王と大差ないくらいに青いだろう。
「苗字ん家って意外と広いんだな!」
気を紛らわすように口を出た言葉が、これほど後悔することになろうとは、思わなかった。
「え?今たくさん来てるから凄く狭いよ?」