君はうるさい | ナノ
それからの学校生活はあっという間に終わり、俺と詩歌の関係は親友にランクアップされた。
「もう卒業なんだね」
「そうだな・・・」
「また、会えるよね」
「当たり前だろ!」
「うん!それじゃあ、またね、燐!」
「おう!」
手を振って去っていく詩歌の後ろ姿を、見えなくなるまで見続けた。その間に何回も視線が合って、お互いに笑った。
「兄さん、貴重品以外あっちのクロークに預けられるみたいだ」
雪男の言葉を聞きながらキョロキョロと周りを見回す。まさかここが祓魔師の学校っていうオチじゃねーだろーな、なんて思いながら雪男と一緒に歩き出そうとした時、
「あの、落ちましたよ」
後ろから声をかけられて、勢い良く振り返った。だって、この声は、
「詩歌・・・?」
「え、燐?あ、雪男くんも」
「え、え・・・高校って、ここだったのか!?」
「そうだよ。言ってなかったっけ?」
「聞いてねぇ!」
「あはは、ごめんごめん。って、わぁ!」
「詩歌!?」
急に人が雪崩のように流れてきて、詩歌とはぐれてしまった。
「兄さん、早く行かないと遅刻するよ。詩歌さんならまた探せば大丈夫だよ」
「・・・分かってるよ」
渋々と雪男の後をついていきながら、頭の中で考えるのは詩歌のことばかり。また同じ学校に通える。
「りーん!」
「詩歌!」
僕の耳が君を探すから
(離れても、また見つけ出す)
end.
2011.09/12