賽は投げられた | ナノ

 

森の中で出会った鳥の悪魔をマシンガンで撃ち殺してから、再び森の中を突き進む。一体いつになったら森を抜けられるのか、もしかしたら抜けられないんじゃないかと頭の隅で考え始めた頃、遠目に家が見えた。

「やった!森が終わる!」

意気揚々と森の中を走り抜け、道路に飛び出る。幸いな事に車も来なけりゃ人も居ない。お母さんから手渡された地図を見るも、どうやら違う場所から出てきたらしく全くと言っていいほど使えない。

「・・・まぁ、なんとかなるさ」

右に曲がって、左に曲がって、また左に曲がって真っ直ぐ進んでみる。とりあえず寺を探せばいいんだと思ったが、ここは京都。

「寺の数多いなぁ・・・」

今歩いてきただけですでに3つは見つけた。しかしどの寺に用があるのか分からないし。適当に歩いていたら、今にも悪魔に襲われそうな少年がいた。

「少年ー!」

「・・・?」

少年・・・といっても同い年くらいだと思うけど、少年が振り向いたので、しゃがんで!と叫べば変な顔をしながらしゃがんでくれた。

「ハンドガンss!」

両手を合わせて叫べば、手の平の魔法印から二丁のハンドガンが出てきた。それを少年に向かっている悪魔に向ければ、少年は目をカッと見開いた。

――バンバンパァンッ

何発か悪魔に撃ち込めば、悪魔は消えた。

「ふぅ、」

「ななな、何がふぅ、や!」

「ん?」

「お、おまっ、人になに銃向けとんねん!」

キッと睨みつけながらこちらに向かってくる少年。あれ、私より身長高いわ。その手には経典らしきものが握られていた。

「ははーん、それ音読してたのか」

「・・・悪いんか」

「悪魔に狙われたいなら勝手にすれば?」

「、は?」

「んじゃー」

ひらひらと手を振って歩き出せば、背後から少年が唸る声が聞こえた。



少年を助ける
(目の前で死なれちゃ胸糞悪い)



 

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