賽は投げられた | ナノ
竜士達とも和解をし、教室の中からは未だに銃声なんかが鳴り響いて、心なしか強烈な悪魔の臭いが教室の中から漂ってくる。雪男くんよ、私が近くに居る事を忘れてるのかい?
「あの、」
「・・・ん?」
声を掛けられた方を向けば、先程目が合った女の子二人組みの一人が小さく笑みを作っている。ショートヘアで、少しおっとりしているようにも見える。ちょっときつい言い方だけど、祓魔師に向いてるとはあまり思えない。あ、でも医工騎士とかなら大丈夫かも。
「私、朴朔子っていうの。こっちは、」
「神木出雲よ」
「あ、高村ゆいです」
「高村って・・・あの?」
「あの、がどの高村かはわからないけど、犬神憑きの高村です」
目付きが少しきついツインテールの子、神木さんが驚いたように私を見る。隣に居る朴さんはあまり知らないのか、なんか凄いね、と神木さんに話しかける。
「フン、犬神憑きだからって何よ・・・!」
「出雲ちゃん、」
キッと神木さんから睨まれる。えぇー、私が一体なにをしたというのだ。朴さんはいつもの事なのか、少し苦笑いをしながら神木さんを宥めようとしている。まあ確かに神木さんの言うとおり犬神憑きだからと言って何かがあるわけではない・・・いや、身体能力とか結構常人から外れてるかも。
「あー、とりあえずごめん?」
「はぁ?!なんでアンタが謝るのよ!」
「え、だって神木さん私の事嫌いなんじゃないの?」
「ばっ、誰もそんな事言ってないでしょ!」
謝ると神木さんは眉間にしわを寄せ、次第に赤くなっていく。これが俗に言うツンデレというやつなのだろうか。
「ごめんね、出雲ちゃん素直じゃないの」
「ちょっと朴!何言ってるのよ!」
「ううん、私気にしてないよ。あ、朔子ちゃんと出雲ちゃんって呼んで良い?」
「私はいいよ」
「まぁ、許してあげるけど」
「・・・ありがとう。朔子ちゃん、出雲ちゃん」
へらりと笑えば、朔子ちゃんも笑顔を見せてくれて、出雲ちゃんも少しだけど笑ってくれたような気がした。
新しい友達
(これから、もっと仲良くなれたら良いな)