短編 | ナノ
「苗字ちゃーん、レジ入ってくれない?」
「わっかりましたー!」
わたし、苗字 名前。ただいま絶賛バイト中。因みにアレだ、CMでゼロ円スマイルみたいな事を言ってるところ。ファーストフード店なだけに学生は多いし知り合いからは「スマイルゼロ円下さい」って笑いながら言われるし(殴っといたけど)。
「いらっしゃいませ!」
「なんや、名前やん!」
「げっ、なんであんた達がここに居るのよ」
「客に向かってそないなこと言ってええんか?」
ぞろぞろと団体様ご入店。同じ学校で一応わたしがマネージャーをしている部活の面子だ。謙也なんか笑堪えてるし・・・覚えとけよ。
「ご注文は」
「名前先輩のスマイルが欲しいっスわ」
「なんや、名前ちゃんの笑顔貰えるん?!ワイも欲しい!」
「・・・財前くん、金ちゃん。うるさいよ」
「俺も名前ちゃんの笑顔欲しいわ」
「・・・ご注文は」
「「「「スマイル」」」」
「・・・スマイル御1つ10万円になりまぁす☆」
にこり、と笑ってやればスマイルを注文した財前くんと謙也と蔵ノ介の顔が引きつった(金ちゃんは青ざめた)。
(光、スマイルめっちゃ高いやん!)
(金ちゃん、静かにせんとアカンで)
(げっ、毒手は嫌や!)
end.
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スマイル御1つ10万円になりまぁす☆