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困った。非常に困った。もしかしたら男子バスケ部の緊急事態かもしれないわ。

「先輩・・・」

「っ、こうなったら、桃井さんに賭けるしかないわね」

辺りに立ち込める暗い雰囲気に、私もなぜ今まで気づかなかったのかと後悔した。でも、きっとあの何でも完璧にこなしてしまう桃井さんなら、と心のどこかで思っていた。部活の開始から少し経って、桃井さんが顔を出した。どうやら先生に呼ばれていたらしく、急いで更衣室へ行こうとするのを制止する。

「どうかしましたか?」

「・・・あのね、桃井さん。料理、出来る?」

「え、」

「いきなりごめんなさい。来週のGWに合宿があるでしょう?そこで料理はマネージャー担当なんだけど・・・生憎他のみんなも料理だけは壊滅的らしくて・・・」

そこまで言って言葉を途切れば、次第に桃井さんも申しわけなさそうな顔をした。まさか、

「すみません先輩・・・私も、料理出来ないんです」

「そ、っか・・・」

どんよりとした空気は感染して、マネージャーのみんなは顔を暗くした。どうしよう、ここは3年である私が何とかしなくては。今までは1個上の先輩がやってくれていたから、すっかり忘れてしまってた私の責任だ。どうにかして、

「マネージャー?どうかしたんですか?」

「あ、赤司くん・・・」

「・・・それがね、」

桃井さんと目が合い、こんな事1年生に言うもんじゃないけど私が代表してさっきのことを話した。全て話し終わったあと、赤司くんは考え込んだあと、顔を上げた。

「先輩はマネージャーの仕事をしていてください。桃井、調理室に行ってくれないか。恐らく調理同好会の会長が居るから、連れて来て。俺の名前を言ったら来るから。あ、何か作ってたらそれが終わってからで良いから」

スラスラと言葉を並べて、赤司くんは練習へと戻って行った。というか、これは桃井さんじゃなくて一応マネージャーリーダーの私が行くべきなんではないだろうか。いやでも、赤司くんは桃井さんに言ったわけだし・・・

「桃井さん、頼めるかしら?」

「・・・わかりました」

桃井さんは更衣室へと向けていた体を真逆に向け、先ほど入ってきた入口から出て行った。うーん、どうなるんだろうか。






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何故か名前も無いマネージャーリーダー視点。
マネージャーは他にも何人か居て、みんな料理が壊滅的。焦がしたり砂糖と塩間違えたりetc
しかし多分今後出てくることはない・・・と思う。

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