ネタ帳 | ナノ


夏で部活も休みということもあって、仁王先輩と丸井先輩とで海に泳ぎに来た。暑い日差しにバテそうになるけど、そんなこと言ったらきっと真田副部長に怒られるんだろうなぁ。

「あ、先輩達待ってくださいよ!」

「はよしんしゃい」

「おせーぞ赤也!」

着替え終わり先に海へと向かっている先輩達を追いかけて、砂浜を走る。


どれくらい遊んでいたのか、気が付けば6時に鳴る音楽が聞こえた。

「あ、もうそんな時間かよぃ?」

「ちぇー、つまんねー」

「・・・なら、あそこに行ってみんか?」

仁王先輩が指差したのは、遊泳禁止とされている場所だった。流石にやばいんじゃねーのと思ったけど、丸井先輩も案外乗り気だったらしく、そこに行く事になった。

「先輩、あんま行き過ぎると危ないんじゃないっスか?」

「それもそうだな。んじゃあこの辺で帰るか」

「プリッ」

遊泳禁止区域に入ったにも関わらず、特に目立った変化はなかったから、そのまま帰ることにした。海から上がった瞬間に、体が重くなったような気がしたけど、きっと疲れてるんだろうって事であまり気にも留めなかった。

「一番最後の奴はジュースおごりな!」

「え、あ!ちょっと!先輩達ズルいっスよ!」

丸井先輩の一言で、仁王先輩も走り出して、ワンテンポ遅れて俺が走り出した。海から遠ざかる時に、ぞくりと背筋に悪寒が走ったが、今はそれよりもジュースのおごりの方が大切だった。

「赤也のおごりじゃな」

「悪ぃな、赤也」

「ちぇっ・・・ん?」

チラリと振り返った海が、少しだけ赤く染まっていたような気がした。数回目を擦って見直してみると普通に青だったから、やっぱりさっきのは気のせいだったんだろう。

ジュースを奢ってから、先輩達と別れてチャリで家に帰った。そんな、普通の日だった。




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放課後、普段通りに練習をするはずだった。眉間にしわを寄せた副部長と目が合うまでは。

「・・・丸井、仁王、赤也」

「んあ?」

「なんじゃ、真田」

「なんっスか副部長ー」

「・・・ついて来い。幸村、少し遅れる」

「え?・・・ああ、わかったよ。なるべく早くね」

ニコリと笑った幸村部長はどことなく怒っているようにも見える。が、まさか幸村部長が部活に遅れるのを許すなんて。驚きで思考が鈍る中、副部長が歩き始めたので、俺たちも後に続く。ていうか、一体何なんだ?

「丸井先輩、仁王先輩、なんなんっスかね」

そう聞いても二人とも首を傾げるだけで、結局わからず仕舞い。副部長に聞こうにもスタスタと足早に歩くものだから聞くに聞けず。やがて少しぼろくなった文化部の部室棟の前で止まる。ますます不審に思いながらも副部長についていけば、そこには“オカルト研究部”と提げられた札の前で、ピタリと止まった。

「あの、副部長・・・?」

「む、なんだ」

「いや、その・・・」

なんて言ったらいいのか、なんか不気味に思えてきた。だって副部長がオカルト研究部に用事って・・・柳先輩ならなんとなくわかる気がするのに。しかし中に入ろうとするわけでもなく、ただドアの前で佇むばかり。一体なにをしたいんだ。そんな時だった。

「よすよーす、げんいちろー。愛しの**ちゃんの登場ですよー」

少し離れた場所から可愛らしい声が聞こえてきて、目をやればこれまた小さな女子が居た。ていうか、コイツ今、副部長の事呼び捨てで呼ばなかったか?しかも愛しのって・・・

「たわけ、学校では先輩を付けろと言ってるだろう」

「えぇー、いいじゃんいいじゃん。私たちの関係は先輩後輩なんて安っぽいものじゃないでしょ?」

「・・・もういい。それでだが、」

まさか副部長が口論(?)で負けた?ていうか、本当にこの女子何者なんだよ。

「あー、みち子さんたちが怒ってたよー」

「みち子さん?」

丸井先輩が黙ってる事が出来なくなったのか、質問をした。途端に女子のやつは思い出したかのように自己紹介を始めた。

「えっとー、1年の**です。オカルト研究部の部長にしてげんいちろーの嫁でっす」

「たわけが」

「んもうつれないなー」

「**は俺の幼馴染だ」

もう、意味わかんねぇ。






力尽きた←


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