ネタ帳 | ナノ
今日は少しだけ、本当に少しだけ、嫌な感じがした。家を出るときに感じたそれを気のせいにしたのがいけなかったのだろうか。
「うわぁ!悪魔だ!」
「きゃああ!」
なんて事ない体育の時間だった。男女共に外で持久走。そこに現れたのは“悪魔”らしい。先生達は慌てふためき生徒達を校舎内へ入るように叫び、生徒も訳が解らぬまま校舎の方へと走り出していた。私も急いで走り出そうとしたところで、ふと視界に入った。
「坊っ!」
「あぶなっ!」
いつも良くつるんでいる三人組。どうやらそのうちの二人には悪魔が見えるらしいが、残りの一人は見えないらしい。二人が叫ぶのも意味を成さないかのように、・・・勝呂くんは動かない。いや、
「・・・動けない?」
地面を伝うように悪魔と勝呂くんの影は融合しており、恐らくそれが動けない原因なんだろう。遠くでは先生がはやし立てるように名前を呼んでいるが、祓魔師の人たちが来るのにどれくらいの時間がかかるのだろうか。ぼんやりと思考する中、不意に悪魔がこちらを向いた。
「・・・、」
志摩くんと三輪くんは相変わらず“坊”と連呼するだけで、悪魔が私の方を、ましてやニタリと笑ったことなど知らないのだろう。はぁ、と一つ息を吐き出してから、意識を集中させる。パキ、パキ、と少しずつ私の周りの地面が凍り始め、ゆっくりと勝呂くんの方へ伸びていく。
「うわ!今度はなん!?」
地面を伝っていく氷に気がついたのか、志摩くんが慌てて振り向いた。しっかりと交差した視線に、目を見開くのがわかった。
「え、・・・**、さん、?」
「え!?」
私の名前を零した志摩くんにつられて三輪くんもこちらを振り向く。どうしたら良いのだろうか。まあ、とりあえず今はあの悪魔をどうにかしなければならないのだけれども。
パキパキと凍っていく地面が勝呂くんの影に到達した瞬間、悪魔はフッと消えていなくなった。死ぬと思って逃げたのか、何か他の思惑があったのかは知らないが、結果オーライということで。
「、**さん?」
「・・・じゃあ、気をつけて」
「あ、ちょお待って!」
未だ驚きの色を見せている三人に少しだけ頭を下げて、静止の声も聞かずに歩き出す。だってどうせ碌な事にはならないのだから。ああ、どうか面倒事に巻き込まれませんように。
以下ネタバレ
その後、孤児院が悪魔に狙われ、みんなに迷惑をかけないように出張所へ移動する。柔造さんに子供扱いされたり、和尚さまと盗み食いしたり←
存分に甘やかしたい。三人とも少しずつ仲良くなったり。蝮達とも仲良くしたい。
とりあえず家族愛的な・・・。
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