ハッと気がつくと外は真っ暗で雨が降っている。時計に目をやれば、最終下校20分前。寝ていたのか。と寝起きのぼんやりした頭で考える。寝るくらいならわざわざテスト前だからって学校残って勉強する必要なかったじゃん。と考えながら机の上のものをしまっていく。

「あ、今光った」
そう呟いてすぐ雷が鳴る。やだなぁ、びっくりするじゃん。すると今度はガラガラと扉の開く音。教室の後ろに目をやると中学が一緒のかんなが立っていた。
「あ、みっちゃん居残り?珍しいね」
ふ、と微笑んでこっちを見る。
「まあね。かんなは?」
「図書委員」
そっか。と返事を返す。かんなとは小学校が一緒だったけど、クラスが一緒になることがなくて、どうしようなに話そう。黙々と帰りの準備を進める。
「みっちゃん寝てたでしょ?」
えっ、なんでわかったんだろ。きっとすごく動揺した顔でそちらに顔を向けたんだと思う。
「顔、顔にあとついてるよ」
クスクスと笑いながら教えてくれた。笑顔可愛いじゃん。そうじゃなくて!すごく恥ずかしい。

再び教室内を光がパッと照らし雷が鳴る。外の雨の音も私が起きた頃より酷くなってるかもしれない。
「雨すごいね。みっちゃん傘持ってきてる?」
「あるよ、傘。下駄箱のとこに」
そっか。と言って彼女は笑うこの子本当綺麗に笑うなあ。
「帰り途中までご一緒してもいいかな?私も忘れ物とったし帰ろうと思ってたから」
うん。と答え、二人で教室から出る。昇降口までやっぱりうまく会話は続かない。靴を履き替えふと傘立てに目をやるとすっからかんで。
「嘘?!傘パクられてる!」
うわあ。もしかしたら、とは思ってたんだけどな...
「この雨だもんね...傘きっと明日には帰ってきてるよ。もしよかったらっていうか、傘一緒に入ってく?」
そう言ってまた私に笑顔を向けてくれる彼女にありがとう、と告げる。

「私ね。みっちゃんと仲良くなりたいってずっと思ってたの」
「私も」

二人で顔を見合わせクスクスと笑う。肩を並べ他愛も無い話をしながら、帰路に着く二人がかけがえのない友人いなっているのはまだ先の秘密のおはなし。



20140925
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tittle:花畑心中様より
Reborn様に提出

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