39話

シオンへ

あなたがこの手紙を読んでいる頃、お母さんはもうこの世にはいません。寂しいよね。本当にごめんね。お母さんがシオンのそばにいられない代わりに大事なことをこの手紙に書きました。
今はわからないかもしれないけれど、いずれあなたにもわかります。だってあなたは、あなただけは、異形の人間ではないから。

ナナリとアクメは異形の人間です。どうしてそうなったかはわからないけれど…。その人たちついては、きっとシオンも風の噂で聞くことがあるのではないでしょうか。だから詳しくは書きません。
異形の人間についてはいい噂を聞きません。その中に普通の人とは違った感覚を持っているというものがあります。人はそれを制御不能の狂気と呼びます。いつか、彼が”人ではないもの”になったら、この拳銃を使って、2人を幸せにしてください。
その後の選択はあなたの自由に任せます。よく考えて、決めてね。

じゃあね。大好きな、大切なシオン。どうか元気で。

お母さんより


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