1000打感謝

1000打感謝で拍手にのせたものです。主人公は連載夢主ちゃん










「やあやあやあやあ!お嬢さん」

振り返ると、背の高い赤髪。
双子の……たぶんフレッドのほう。

ジョージだったらたぶん……


「あ、今ジョージだったらとか考えたろ。すみませんでした。ジョージじゃなくて」

図星をつかれて少し慌てる。
でも、ほんとだもん。
ジョージは私と二人で話すとき、こんなにテンション高くない。


「でも、よくわかったよなぁ。前は見分けられなかっただろ?」


思い出すのは図書館のこと。
あのときはびっくりした。
もともと男の子とあまり親しくしたことがなかったから、あんな至近距離までせまられたら。

「でも、二人一緒にいるとわからないよ。二人でいるとき、お互い似せてない?」

そういうと、フレッドは少しビックリした顔をした。

「いや、それは意識してないな……」


じゃぁ、無意識なんだ。
ジョージは一人でいるときは少しだけ落ち着いてて、フレッドは少しだけお調子者になる。

一卵性で遺伝子が全く一緒なのだから、それは微々たる差なのだが。

二人一緒にいると、天秤が釣り合うようにぴたっと同じになるのだ。

たぶんこの二人にはお互いの代わりになる人はいないのだろう。


その中でも違うのが――



「あ、アンジェリーナだっ!」

フレッドの目線の先には彼の愛する人。


――その眼差し。


優しくて甘い、そんな笑顔をアンジェリーナには向けるのだ。


ケイティ達と話していたアンジェリーナが微笑んだ。

なんて幸せそう。


「フレッドってアンジェリーナには優しくわらうよね」

何気なく言うと、フレッドは吹き出す直前のような顔をする。
それ、いつものニヤニヤ笑いより酷い。


「お前なぁ、それ多分相棒の方が凄いぞ」

え?ジョージ?

「相棒なんて、そらぁもうでれでれな顔してるぜ。気づいてなかった?」


でれでれって……
そりゃ、まぁ、気づいてなくはない。
たまには向けられる甘い顔。
例えば、ホグズミードのアクセサリー店で見せたような。


「ほら、でれでれ変態魔人の登場だ」

仮にも双子の相棒にたいしての言葉に(お前が言えることじゃないだろ。遺伝子レベルで同じなんだからと)わらうと、遠くからジョージが歩いてきた。


「ほら、いってこいよ」

フレッドに少し強めに背中を押される。
小さいとこで気の効く双子だ。ジョージと二人きりにしてくれようとしたのだろう。


ジョージのところまで行くと、怪訝な顔をしたジョージの顔が、視界に入ってきた。
近くにいくと身長差でおたがい辛いから、止まって話すときは少しかがんでくれるのだ。

「なに話してたんだ?」

「でれでれ変態魔人のこと」


「はぁ!?」


もっと怪訝な顔をしたジョージに笑って、
そしたらジョージも甘く優しく笑って。


ねぇ


幸せだよ。

世界の誰より。


たぶん今フレッドといるであろうアンジェリーナよりも。

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