さくら
咲き誇る薄紅色の小さな花。
「こりゃすげぇ」
色彩は淡く、花も小さいのに、何故か畏怖すら感じさせる。
悪の帝王と呼ばれた男はいなくなり、商売もしやすくなったので今回は東洋の方にてを伸ばそう、と思ってきたこの極東の国。
日本人の魔法使いにジンジャにつれてこられたのだが、勝手が分からずぶらぶらしていたのだ。
そしてこの大きな桜の木を見つけて冒頭にもどる。
「すげぇー」
「喜んでいただけたなら幸いです。」
独り言を呟いたはずなのに返答がきた。
いったい何事だと後ろを向いたが誰もいない。
「外国のかたは背がたかくていけませんね……」
そう声がしたのは目線より大分下からだった。
黒曜石のような瞳と目が合う。
「日本は初めてですか?」
「あ、ああ、俺はジョージ・ウィーズリー。君は?」
「リカと、申します。」
聞いてみれば、はここのジンジャの娘さんなんだとか。
「ジョージさん知ってます?」
「何をだい?」
「桜の木の下には死体が埋まっていてその血をすって桜は紅く色づくのだそうです。」
「それは、怖いな。」
彼女が何故行きなり物騒な事を言い出したのか分からずあせる。
「そうでしょうか」
彼女はキョトンと言う顔で首をかしげた。
「食物連鎖に天辺はないのですから、人が死ねば、その血肉が自然に返されるのは自然なこと。そのお陰で、桜はこのように咲き誇るのです。」
桜をいとおしげに見つめる彼女は、今まで見たことのない美しさを持っていた。
「この時期が過ぎたら散っちゃうのがもったいないね。」
そう呟くと、彼女は、
なんとも言い表し様のない美しさを帯びた微笑みでいったのだ
「散らない花を誰が愛でましょう?」
ああ、
これは 儚い のだ。
儚く触れれば散ってしまう美しさ。
しかしだからこそ、
畏れ多く、美しい。
自分でもよくわからない←
もう桜は立派に葉桜です。
若干季節外れ感が否めない。
あれです。桜の精みたいな。日本は八百万の神がなんとかて言うじゃないですか。桜の神様てきな?さくや、でしたっけ。
そんなんをイメージ。まぁどんな解釈でもいいんですがね!
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