君となら、とは言えないや

7巻ねたばれです。















































「ぁぁぁあああぁぁあぁああああああっっ!!」



慟哭。

大好きな人が、ここまで泣き叫ぶことを見るのは、

もうないだろう。




「なぁっ……なんでだよっなんでっ」



フレッドが。

俺の、相棒が。



いつも一緒だったのに。
ずっと一緒だと思ってたのに。









フレッドが、死んだ。

でもだからといって時が止まるわけではなく、


闇の帝王はいなくなり、世界には光が少なからず差し込んだ。



ねぇ、でも貴方の瞳は真っ暗よ


「何て顔してんだよ?リカ」

にっこり笑ってるけど、
以前とは、全然違うの。

ロンがWWWで働いてくれて、何とかお店はやってるし、こうして笑顔を見せることも増えた。

でも、 ちがうんだ。


「無理、しないでよ?」


「大丈夫だよ。リカもいるしな。」


私は、


「私は貴方の相棒にはなれないのよ?」


「…………わかってる。」

でも、

ジョージが珍しくまゆをへにゃりと垂らして、


「わかってるけど、誰かをとおしてあいつを見ないと……み、ないと…」


そういって静かに、涙を流した。

そういや長男で生まれた子って、しゃくりあげて、必死に声を出さないようにして泣くんだっけか。

ジョージはまさにそんな泣き方だった。

長男じゃないけれど、笑うことを大切にしてて、辛いからこそ笑おうと考える人だから。



「ないて、いいんだよ。お願いだから、私は私としてみて?」

「……で、も…」

「辛い時こそ笑いを。でも、あふれ出そうになった時は、無理に笑わないで?」

「………ッ」


それから、貴方は泣いた。
声は変わらず殺していたけれど、






一人で泣くのはさみしいから、わたしはあなたを抱きしめた。





カッコ悪く泣きじゃくる俺を、リカは抱きしめた。






貴方の背中から聞こえる
           心臓の音はなぜか落ち着く。
君の胸から伝わってくる





「リカ?」



「ん?」




俺さ、君となら………




「いや、…………なんでもない」




まだ、今はこのままで。










「君となら、とは言えない。」

(ずっと一緒に生きていきたい。なんて)








でも





相棒、

俺は大丈夫だから








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お題提供「いいえ、下心ですよ」さんから



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