学園中の女子から嫉妬されてもしょうがない

お前可愛い顔なんだから勿体無いだろ☆

とか。

普通言わない。


それをこやつは。

身長192センチグリフィンドール生学園始まって以来のとある二人の問題児と肩を並べる問題児の片割れは。

さらっと。

普段の会話と同じように言ってのけた。


これを天然タラシと言わずなんという。


「おい、どうした?」

『どうしたじゃねぇよ天然タラシ。【自主規制】すっぞ。』

「いや、マジでなに言ってんだよ」

『照れ隠しなんかしてないんだからね。だ。』


受け答えは全て日本語でしてしまっているのだ。
とっさに出る言葉は流石に母国語になってしまう。

そして、ようやく思いついた英語がこんなんで本当にすまないと思っている。

「Help me!!!!」



そんなに叫んだつもりはない。

ただ。ちょっと過保護な兄貴分を召喚してしまった。

「どうしたんだい?」

「せ、セド」


キラキラの完璧な笑顔で、そして軽く抱き締めるようにして柔らかい口調で聞くセドリック。

「そこのビーダーに何かされたのかい?」

ビーダーと言うのはジョージのことだ。クィディッチの選手だから、そのイメージが強いのだろう。


「何もしてね「いや、されてない。うん。ちょっとね、うん、え、英語間違えちゃった」


必死に否定しようとするジョージを遮る。
しかしごめん。
何故彼処で助けを求めたのか。
たぶん大変だと思ったらとりあえずHelp me!と叫びなさいと。母に散々言われたからだと思う。


「そう。びっくりしたよ。」

引き下がるセドはやっぱりどこまでも好青年だ。



そうして私達は何も無かったようにハッフルパフ寮へ帰った。
あっちからしたら意味不明なんだろうが。


ここまで私が動揺したのには単純明快な理由がある。
それも五文字で答えられる。


好きだから


だ。


単純明快にしてなんと乙女チックな答えだろうか。
きっとその私が好意を抱いてる相手がきいたら、はぁ?と言われるか、笑い飛ばされるだろう。

だから言わないが。




そして涼しいから寒いに変わる頃、ホグズミード行き初日、兄貴分のセドとホグズミード村にいた。


優しい兄貴分の隣とは、安心する。
他の女子なら心臓ばくばくの顔から火が出る距離だが。
私の場合恋愛より親愛にちかい。

村を一回りした後、三本の箒でまったり。

「サヤ。」

「ん?」

「実はね、僕、君のこと、妹のようだと思っているようで思ってないんだ」


なんだそのフェイント。


「え?ちょっと意味わからないよ!?」

「うん。つまり。」

そういって立ち上がり、
そして私の腕をつかみ、
素早く会計をすませ、

三本の箒とその隣の店の間の細い路地に私を連れていき。


気がつけば唇が唇にくっついていた。








「公認ストーカー」

(さらに意味がわからないよ?)






---------------------
誰もが予想できるよねっていうw

[ 35/38 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -