The second mischief

変身学のレポートは大変だ。
マクゴナガル先生は厳しい。
自分の寮生にはとくにだ。

図書館で資料を探さないと書けないし、英語が母国語では無い私は他より遅れをとっている。



「えっと…あった!」



思いきり背伸びをして本をとる。
こういうとき背が小さいと不便だ。


「やぁ、おちびさん。真面目にレポート?」


分厚い本をがんばって運んでいると、双子の片割れが顔を覗き込んできた。


「そうだけど…そっちも?」

「まさか!俺がそんな事すると思う?」

「思わない。」



まだ短い付き合いだけど即答出来る。




「俺がどっちか解ってないのに即答って!……そこで問題。俺はどっちだと思う?」



「え!?えっと……フレッド?」


「残念。ジョージだ」


「あ、ごめ、「嘘。フレッドだよ」


「え!?」

フレッド?ジョージ?
なにがなんだかわからなくなり、あれ?あれ?なんて呟いていると、

「ぷっ!」


小さく破裂音が聞こえ見上げると琥珀の瞳が細められる。

私をからかっているんだ。

「わっ笑わなくたって良いじゃん!」

だいたい、彼は見分けられないと知っていてやってるんだ。
何度見たって分かるはずがない。
だってあまりにもそっくりだ。



一緒にいるとき、いつも立ち位置で見分けている。
私アンジェリーナといることが多く、フレッドは必ずアンジェリーナの隣へいく。
そこでやっと気づくのだ。こっちか。と。



あ……でも、


そういえばこの前のジョージとは少し雰囲気が違う気がする。

ジョージは、見分けがつかなくてもさらっと流し、ママでさえ間違えるんだと笑っていた。


つまり、こっちはフレッド?



「おい、なにしてるんだ?」
「お前、アンジェリーナに言いつけるぞ!」


ふいに声がした。
ウィーズリーの片割れと双子と仲のいいリーだ。

アンジェリーナに言いつけると言うことはやっぱりこちらがフレッドなんだろう。





フレッドから解放されてほっとしているとジョージが駆け寄ってきた。


「ごめんな。あいつも嫌がらせしようと思ったわけじゃないんだぜ?」

「わかってるよ。大丈夫。終始にやにやしてたもん」

ほら、謝れ。とジョージがフレッドを叩き、もう一度、ごめんな。といって顔を覗き込む。

急に顔が近づき、なんだか少し照れてしまう。

「なに?俺がかっこいいから照れてる?」


ジョージがニヤニヤしながらいう。
間違ってはいないが、自分でいうのが惜しい。


「うるさいなぁもう…二人ともレポートやってないんでしょ?いいの?やらなくて。」

「いいよ。後で適当に書くし。それより我らは商品を来る方が先決だ。」
「商品?」

フレッドはジョージの肩に手を回す。

「悪戯道具を作ってるんだよ。騙し杖や鼻血ヌガーなんてのある。」


「へー。騙し杖なんて面白そう。」

そう呟くと、双子とリーがお互いにアイコンタクトをおくり、ニヤっと笑う。


「なら、俺らのレポート書くの、手伝ってくれたら、ただであげてもいいぜ?」

私は英語を書くのがまだ苦手なのに。
そんな私に頼るなんてそれでいいのか。
しかし双子の騙し杖には興味がある。
しかもただなんて、これは誰だって協力せずにいられないだろう




「しょうがないなぁ」





レポートも大変だというのに顔はいつの間にか笑っていた






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