The 22th mischief

重なったものは唇と唇で、
目の前にいるのは自分の想い人。今起きたことが信じられなくて、頭のなかがぐるぐるとする。


「ねえ、サヤ 」

「はっ、はいっ」

「嫌、だったかい?」


そんなこと、あるわけないのに。
サヤがどれだけジョージと言う存在に焦がれていたか。
どれだけ胸が苦しくなるか。
知ったらどんな顔されるだろう


「そ、そんな風に、見えマスか?」


自分でもわかるくらい

顔が熱い。

口角が自然に上がっている。


「見えない」


大好きな大好きな琥珀の瞳が細められたのが見えると、
私より少し高い体温に包まれた。

内側からチクチクと刺していたトゲが緩やかにとけていく。






それから、少し扱いが変わった。

手は指を絡ませ、俗に言う恋人繋ぎというやつ。

さりげなくエスコートしてくれる。


そんな、ちょっとした女の子扱いが嬉しい。



「ジョージさん。雪ですよ」


「雪ですね」


胸の奥のわだかまりも、チクチクと痛かったものもすっかり溶けると、雪がよりキラキラして見える。

冷たい空気が熱の引かない顔を適度に冷やして気持ちがいい。


「寒くない?」

「うん」


寒さなんて感じられる余裕がない位顔に血液が行っていて熱い。
こちらを見ているだろうジョージの顔が見られない。


「こっちむけよ」

「え、遠慮させていただきます」

「ああ、サヤの身長じゃあ首が痛いか。ごめんな無理させて」


「そんなことないもん!」


一応気にしている身長のことを言われ、向きになって上を向く。
すると目の前には琥珀の瞳。


綺麗で綺麗で、また顔が熱くなる。


形のいい唇がにやにや笑い、そして開く。


「可愛い。」


降り積もった雪と一緒に私まで溶けてしまいそう。

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