The 20th mischief
皆が一斉にホグズミードに向かうなか、ド緊張しながらジョージを待つ。
ジョージは何かフレッドと用があるらしく、すこし待ってて欲しいとのことだ。
「まだかなぁー……」
そろそろ緊張しすぎて気持ち悪くなってきた。
何でもしすぎは良くない。
それに雪が降るなか待っているから、手袋の中に収まってるはずの指先がかじかんでうまく動かない。
暫く待っていると、ホグズミード行きの人も少なくなってきてしまった。
「ごめん、待ったろ?」
聞きなれた声にはっと我に帰る。
ジョージだ。
「さ、行こう」
大きく節ばった手を差し出す。
私の手と比べると幾分大きくて、心臓の音が大きくなった。
心臓から勢いよく送り出された血液が顔に上る。
きっと真っ赤だ。
それでも寒さで赤くなってると勘違いしてくれるだろう。
「うん。」
手袋を外して白くて大きい手を掴む。
すると琥珀の瞳は細められ、手には力を込められた。
小骨のようなつっかえは取れない。
それでも大きな暖かい手が冷えた手を温めてくれる。
人種的にジョージの方が体温が高いというのもあるんだろうけど
繋がれた手から伝わってくるこの"あたたかさ"はそういうものじゃない。
「ね! どこいくの?」
痛みを気にせず笑えたのは、繋がれたこの手のおかげ。
[ 26/38 ]
[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]