The 17th mischief

月曜になって、ハリーが回復し、病気で休んでいたルーピン先生も復活した。


「「これであの憎きスネイプの授業から解放される!」」


双子が声を文字通り揃えた。

「でも、魔法薬学の授業あるじゃない」

「二つあるのと一つだけとは大きな違いだ」
「わかるかいお嬢さん方」


スネイプの授業が減るのは嬉しい。

スネイプは私たちグリフィンドール生に向かって嫌みばかりいう。
得点の配分だってスリザリンを贔屓しすぎだ。


「まぁ、確かに、スネイプよりルーピン先生の方が好きだなぁ」


「人徳の差よね」


ルーピン先生と言えば、私の両親を知ってると聞いた。

家に帰ったら母に聞いてみようか。






もう11月の中旬だ。

もうすぐハッフルパフとレイブンクローのクィディッチの試合がある。


ここでハッフルパフが大差で負けてくれないとグリフィンドールが優勝争いから脱落してしまうこともあって、
二チームの練習があるときは皆ピリピリしている。


それに加え冬も本番になってきた。

イギリスは日本の北海道と同じ緯度だと聞いた。
やはり冬は寒い。
私は暇があれば談話室で暖まっている。

生まれも育ちも日本の私にとっては暖炉も珍しい。
赤い煉瓦の中でゆらゆらと揺れる炎は暖かく、心藻暖まる気がした。

写メとか、たくさん撮ってしまった。
動かないけど手軽に撮れるのがマグル式写真の良いところだ。


暖炉で暖まっていると、隣にミランダが座った。

二人で話すのは久しぶりだ。

「ハイ、サヤ」


「こんにちは。ミランダ。なぁに?」


「暖炉、そんなに珍しい?」


「日本にはまず無いかな」


「そうなんだ。」

ミランダの綺麗なブルーアイがこちらを見る。

睫毛ながいなぁ。


「私、サヤはすごいなって、思ってるのよ」

「私が?」

「遠い国から一人できて、強いなって」


そんなふうに言われるとは、思ってもみなかった。

彼女は見た目も性格も魅力的で、


「強いなんて、そんなことないよ。皆が優しいからやってけるんだから。」 そう言うと、ミランダはゆっくり首をふる。

「いいえ、やっぱりそれだって貴女の強さよ。それに、とっても可愛いし、魅力的だわ」


「魅力的なのはミランダだよ。」


そういっても彼女は首を降るのみだった。













彼女が自室に戻りしばらくすると、
その後隣に来たのはジョージだ。


「最近よく談話室にいるけど、寒いの?」


「日本に比べれば随分ね。」


「日本ね。いってみたいな」

「興味あるの?」

自分の国に興味を持ってくれるのは嬉しい。

「いや、正直この前までなかった。」

そこで一旦切り、私の方を見る。

大きなタレ目の琥珀色の瞳に私が写って見えた。


「サヤと会って興味でたよ。もともとはそんなに好きじゃなかったんだ」

え。

思ったよりショックを受けている自分がいる。
その国の人の前でいうことじゃないだろう。


「日本は真面目だって聞いたからさ。」


まぁ確かに、双子の陽気さや明るさは合わないかもしれない。

ルールに厳しく、時間に厳しい印象の方が強いのだろう。

「でも、サヤみてるとそうでもないし、独特の魔法ってのにも興味がある。」
そこでジョージがニヤっと笑う。

「商品に使えるかもしれないしな?」


杖を使わないから隠れて使いやすい、とか、魔法をかけられてると分かりにくいとか、そういうことだろう。

実際は二つとも言霊の一種で、主な違いは概念の違いから生まれる媒体の有無と術の種類くらいだ。

ただ、友人は式神を誕生日のサプライズに使ったりしていた。

案外使えるかもしれない。
「いつか教えてあげようか?」


「使えるやつを厳選しろよ?」



ならそのいつかのために少し呪術も練習しなければ。
日本にいるはずの学校の先生がニヤっと笑うのを想像してしまい、寒気がした気がした。







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