The 16th mischief

最初のホグズミード行きも終わり、今日はクィディッチの試合がある。



しかし、



今日はあいにくの雨だった。

しかも正に滝のような、


そして予定していたスリザリン戦ではなく、ハッフルパフと試合をすることになったのだ。

今日までスリザリン戦の対策ばかりしていたためか、突然の変更に、選手たちには何時ものような覇気がない。

キャプテンのオリバーも黙っている。

こんなに暗くなっているチームは初めてみるし、オリバーはキャプテンで何時もみんなを引っ張っていたはずだった。

なのにこの有り様とは。

どうしようもなくなって、
みんなの様子がいつもと全然違うのが凄く不安で、凄く嫌な予感がして、

気付いたら声をあげていた。

「皆どうしたの?試合に負けに行くの!?」

皆の視線が刺さるが、気にせず続ける。


「負ける気で試合したって勝てる筈無いじゃん!」

たくさん練習したのだ。
マクゴナガル先生がフーチ先生に頼んで監督してもらってまでがんばったのを私は知ってる。


「対戦相手が予定と違うのも、悪天候なのも相手と条件は同じでしょう?なら負けるはずない。だって世界一強烈なチームなんでしょう?」


今シーズンの練習を始めるときオリバーがそう言っていたらしい。

アンジェリーナが自慢気に話してくれた。


「だな。」


ジョージが私の隣に来て頭をぽんと叩く


「「こんなことでへこたれる俺らじゃないだろ?」」


フレッドが反対側に移動し、私の頭をひじ掛け代わりにする。
不服だという思いを込めてにらんでも無視された。
喧嘩売ってるようにしか思えない。


「オリバー!」

一番元気の無いキャプテンのオリバーを呼ぶ。


「キャプテンが萎れてるんじゃないよ!こういうときに皆を奮い立たせるのも仕事のうちでしょ?なんで私がやってるの」


オリバーが苦笑いをして答える

「そうだな……すまない。さあ、みんな行くぞ。」

皆に笑顔がもどり、
満足した私は笑顔で皆を見送った。
応援席に行くとロンとハーマイオニーが席をとっておいてくれた。

試合はグリフィンドールが勝っているが、点差はなかなか開かなかった。

祈るようにして見守っているとハリーとハッフルパフのシーカーはスニッチを見つけたらしい。

猛スピードで競いあっている。





突然妙な感覚が周囲をおおった。

言い様の無い絶望感と凍るような寒気。


グラウンドを見ると、


男の子がかなりの高さから落ちているのが見えた。


ハリーだ。




しかし、箒を持っていない。



うそ。

あんな高さから落ちたら……









ハリーは目を冷ますと勢いよく起き上がった。


「どうなったの?」

混乱しているハリーをなだめてベッドに寝かせ、
ハリーがきくと、双子が交互に説明をした。

グリフィンドールが負けたことや、ハリーが箒から落ちたこと。

話してくうちにハリーの表情が沈んでいくのがわかった。
スニッチをとっていたら勝てたのだ。当然だろう。


選手は出ていくように言われ、私もそれについて行く。

「あれが、吸魂鬼……」
得体の知れない絶望感と寒気を思い出し、思わず肩を抱く。

正直恐かった。

あんな場所に見送った皆を自分も。
でも、すぐ近くにいたハリーは、選手は、もっと恐かっただろう。


「無理すんな」


もう聞きなれた声。

ジョージが私の肩をしっかり抱いている。

見上げると彼も不安そうな顔をしていた。

筋肉質な腕を軽く握る。


「ジョージこそ」


言うと琥珀の瞳が少し細められた。








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