The 14th mischief
「……そっか」
「……そうだよ」
相槌を打ってはにかんだように微笑んだ。
童顔のくせに少し大人っぽくみえて、照れ臭くなった。
部屋に変えると俺と同じ顔で相棒がニヤニヤしていた。
「何、アンジェリーナと良いことでもあった?」
「良いことがあったのはお前だろ。相棒」
今日はいたって普通の一日で、
何時もと違うことはサヤをおぶったことぐらいなはずだ。
何時もいやみな先生に悪戯が成功したとか、クィディッチの試合があったわけではない。
「お前顔が赤い。なにかあったろ。」
なにか。
サヤとのことがその何かなのだろうか。
俺は目に見えてわかるほど赤くなっているのか。
確かめたいが、今から洗面所に走るのも格好つかない。
「サヤか?」
なんでわかった。
避けられて傷ついたし、
仲直りして嬉しかった。
寝ぼけた彼女は可愛らしいし、微笑んだ彼女に鼓動が少し早くなったのは嘘じゃない。
「かもな?」
正直に言うのが気恥ずかしかった。
というのもある。
生まれたときから競争してる相棒に、自身の気持ちを知られるのはむずがゆい。
しかし、競争してるとはいっても、つまりは生まれたときから一緒にいるというわけで、そんな相手に誤魔化しがきくわけもない。
「素直じゃないねぇジョージくんは。」
「うるせぇ」
別にフレッドには関係ない。と思う。
ただの仲の良い友達と楽しくしゃべっただけだ。
自分だって意地になりすぎだ。
そう、少し気になってるだけだ。
だから、こんなに鼓動が早くなる必要も、無いはずなのだ。
「今年のホグズミートはジョージと行くでしょ?」
「ほぐずみーと?」
アンジェリーナがにやにやと笑いながら話しかけてきた。
「ああ、サヤはしらないか、冬にね、ホグワーツを出て遊びに行けるの。こっちに来る前に書類かなんかに書いてなかった?」
そう言えば、書いてあったかもしれない。
ホグワーツを出て、
遊びに、
「行きたい……」
ジョージと行けたら、きっと楽しいだろう。
双子でなんて行ったら悪戯専門店やお菓子屋さんなんかを、店員を困らせながらも荒らし回るに違いない。
「ねぇ、どんなところなの?」
「んーとねぇ……。」
三本の箒というパブやハニーデュークスのお菓子屋さん。
出てくる単語に心踊らせていると、一気に夜は更けていった
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