The 13th mischief

「んん……?」


あれ?
わたし……?

何故だか足を動かしていないのに体が一定のリズムで揺れている。

「あ、起きた?」

あれ?
身長差的にジョージの声がしたから聞こえるってあり得なくない?

目線がいつもよりものすごく高い。

そしてこの体制、この視界、私のかおの斜め下辺りに綺麗なさらさらの赤毛。
そして前面全体に温かなぬくもり。

……おんぶされる?



「ジョージ!お、起きたんだから下ろして!お、重いでしょ!?」

「いやいや、俺とお前の体格差考えろよ。重くなんかないさ。」


こっちとしてはジョージにぴったり密着していて心臓が破裂しそうだ。


「い、いいから下ろそうかっ」

「だぁーめ」


おんぶされてて解らないけど絶対ジョージニヤニヤしてる。

こうなったら私のいうことなんて聞いてくれないのだ。

だが考えてみれば、

何だかんだでこれ結構役得じゃないだろうか。


ジョージ結構背中広いんだなぁ…とか
つむじかわいいなぁ…とか
やっぱ筋肉質だなぁ…とか



「ふふっ」

「何笑ってんだよ」


ジョージも笑っているのか背中が震える。


「何か安心するね。暖かくて、ぬくい」



「どうした?まだ寝惚けてる?」

「んーんさっき散々寝たからね。寧ろ今日寝れそうにない。」


「あぁ、それでまだ寝るとか言い出したらどうしようかと思った。」


私の意識はしっかり覚醒してますよー

けっこう疲れてたんだと思う。
想いに気付いたらどきどきしてばっかで、
気疲れってやつだろうか

目の前にジョージの首筋。

何これっ超色っぽい。
とりゃっとほっぺをくっつけてみる。
わぁ、結構筋張ってる。

びくっとジョージが揺れた気がした。

「あ、ごめ、くすぐったかった?」

「いや、大丈夫」


反応がおかしい。
どうしたんだろう。

「眠いの?」

「ううん、そんなことはない。…あぁでもサヤ起こすの大変で疲れたからなー」

含みを帯びた言い方でジョージが言う。
う、でも悪気があったわけじゃない。
私は寝起きが悪いらしく、なかなか起きない。
同室のアンジェリーナにも毎日たたき起こされるのだ。

「ごめんって、許してよ」
「えー」

「なんだと!?」

おんぶされてるのを良いことに首に回している腕をしめる。

「ゆるすゆるすから!というかゆるして!」

さんざんじゃれあってやっぱ好きだなぁって思う
こうやってバカやれるとことか、

しばらくゆられていると、太った婦人の肖像画まで来た。

ジョージが合言葉を言って中に入り、談話室のソファに私を下す。


「おつかれーっ」

「ほんとにな」
「そういえばさ、サヤ、俺らの区別つくようになった?」

私の隣にドカッと座り、
彼の体重を受け止めたソファが少し沈む。

「少しだけ……かな。まだパッと見じゃわかんない」
そう言うと髪と同じ色の眉を少しハの字にする。


「見分けてほしいって言ったら、サヤは困る?」


「……困ら、ないよ。というか、解るようになりたいって思ってるから。前もそう、言ったでしょう?」


「……そっか」


「それに、ジョージと、話したいって……思ったりするし。」

「……うん」


斜め上をむきがしがしと赤毛をかき回す。
身長差と腕で私からは表情がうかがえなくなる。

その間がなんとなく手持ちぶさたで、
ソファにおいてあったクッションをひっつかみその柔らかさを堪能していると、隣からため息が聞こえた。


「……そっか。」


「……そうだよ」


相変わらず表情はうかがえなかったが、

心地の良い空間にいるような気がして、

自然と顔に笑みがこぼれた。









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