The 12th mischief
退屈である。
いくら金髪美人の名前を知ったからと言って、マクゴナガル先生の宿題の多さは変わらないし、私の英語の能力も急激には変わらない。
分厚い本と辞書を開いて、勉強しても私の頭は睡魔と戦うことで精一杯だ。
「サヤ!こんなところで何してるかと思ったら勉強かよ!?」
聞き慣れた声がふってくる。
ジョージだ。
片割れは彼女と一緒にいるので間違いない。
それが私が一人でいる理由でもあるのだが。
「わかるなら邪魔しないでくださいー……ふあぁ……。」
女子とは思えない程の大あくびをしてしまった。
しかもジョージの前で、恥ずかしい。
「寝とけば?消灯前には起こすけど」
じゃぁ、お言葉に甘えて。
そう言った声は口からきちんと出ただろうか。
確認するまもなく意識を手放した。
目の前で寝ている少女を、意識していないといったら嘘になる。
自分の目線の大分下で笑う姿は魅力的だし、
極東地域特有の、濡れ羽色の髪に黒曜石の瞳そしてそれと対照的な白い肌は、幼い見た目ながらも美しいとさえ思う。
幸せそうに眠る顔は、普段より表情の起伏が少なく、大人っぽくみえる。
身長差で脳天しか見えなかった髪にてを伸ばすと、さらりと肩を滑った。
「はぁ……。」
避けられたときはどうしようかと思った。
嫌われたのかと思ったら、自分で自分に傷ついた。
「わっかんねぇなぁ」
何がといわれたら答えられないけど。
日がくれてきたのか室内が薄暗くなる。
「……んん……」
頭を撫でてたら手に擦りよってきた。
その仕草が猫のようで可愛らしい。
幸せそうにしやがって。
自分しか気づかないくらい少しだが、顔が熱いのは、きっと気のせいではないのだろう。
んんー……
うっすらと目を開けるとウィーズリーの双子の片割れの顔……
どっち……
わたし、何してたっけ……
……思い出し…た……
私……あのまま寝てた…?
てことは……
「じょぉじ……?」
自分が思っているほど意識は覚醒さておらず、
何だかしたったらずな声がでた。
ちょっと掠れたかも。
「当たり、いやいやぐっすり寝てらしたよ。眠り姫。」
「ねむいひめ……?」
なんだかまだ眠い。
ジョージの声が心地いい。
何いってるんだろう。
「ああもうっまだ寝るの??」
ねるの……?
……寝るの?
「ねぅ……」
……ぁ…し…ぃ……っかり………ぇよっ…
あれ?……いま何て言った?
でもいいや。
なんだかとても、気持ちいい……
--------------------------------
眠いのは私です。
眠い…
サヤさんは結構ヘタレなのでなかなかアピールできないんです。
[ 18/38 ]
[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]