The 9th mischief
「「やぁ、おちびさん。」」
「ハイ、フレッド、ジョージ。つか、おちびさんってやめようか」
「そうよ、小さいのはサヤのチャームポイントなんだから、それを馬鹿にするのはよくないわ」
「アリシアさん。それフォローできてないから」
「むしろ致命傷おわせてるわよ」
仲直りした後はクィディッチの練習にもよく行くようになり、クィディッチの選手であるアリシアやケイティと仲良くなることができた。
「だって私、はじめ見たとき2年生くらいだと思ったのよ?」
「「あ、俺も思った」」
ジョージといると最近起きたことがよみがえってきて恥ずかしくなるが、私としてはいつも通り振る舞えているとおもう。
「まって、とりあえずアリシアさんは私をフォローしてるのか双子さん側なのかはっきりしようか」
二年生って、さすがに12歳に見られているとは思ってなかった。
「まぁ!私はサヤの味方よ!」
アリシアは言い終わらないうちに私抱きついてきた。
胸当たってるし。
胸の大きさ見せつけてるのか。
味方と思わせといて敵か。裏切ったのか。
そうやってじゃれてる私たちを見てアンジェリーナが呆れて口を開いた。
「あなたたちいいの?つぎ薬草学よ?遅れたらスネイプにまたねちねち言われるわ。」
スネイプはグリフィンドールが大嫌いらしくて、ことにつけてねちねち言ってくる。
しかも最近それがひどいのだ。
ルーピン先生がスネイプと仲が悪いと本人が言っていたからそのせいもあるんだろう。
私情を仕事に持ってくるな。教師だろ。
とか思うが、また言うとグリフィンドールが減点されそうなので言わない。
私たちは急いで教室に行き、ぎりぎりだが、間に合うことができた。
でもスネイプの機嫌は悪かったらしく、散々『ミス・サトウは脳みそも小さいのかね?』とか言われた。"も"ってなんだ"も"って。
他も小さいと。授業が終わり、教室を出ると、ドアの先であの子がいた。
少し前、ジョージと話ながら笑っていた背の高い女の子。
たぶんジョージを待っていたのだろう。
「おい、相棒お前にじゃね?」
「あぁ、ちょい言ってくる。」
ジョージは彼女の方に走って行ってしまった。
自然にフレッドはアンジェリーナの傍らに寄り添う。
「じゃぁ俺らも行こうか、マイハニー。」
恭しい動作でフレッドがアンジェリーナの手をとると、アンジェリーナもじゃぁね。と言って行ってしまった。
もう一度、ジョージの方を見る。
遠くで見ても二人は綺麗でかっこよくて、なんてお似合いなんだろう。
「もう、あの女生意気よね。勝手にジョージのこと好きになるのはいいけど、サヤからジョージを奪おうとするなんて。」
アリシアがぷんぷんと怒っている。
「アリシア。私とジョージはそういうのじゃないから。彼女を悪く言うのはよくないよ」
「そうなの?でも、ならそんな暗い顔しなくてもいいんじゃない?」
アリシアは私をまっすぐとみやる。
アリシアに言われて自分が暗い表情をしていたことに気づく。
あぁもう、なんでこんな顔してるの自分。
「でも、彼女はジョージを好きなだけなんだよ。」
ほらだって、ジョージと話してる時の顔
顔が少しあからんでいて、花が咲いたような笑みを浮かべてる。
「あんなに恋してるんだよ?私とジョージは仲がいいけど、それを邪魔する権利は持ってない。」
アリシアと話しているとジョージが戻ってきた。
「ごめん、遅くなって。いやぁもてる男はつらいねっ」
語尾に星でもつきそうな勢いだ。
美人と話して上機嫌なのだろう。
「遅いよーほら、アリシアも行くよ!」
胸がづきづきと痛むのを見ないふりして
アリシアを元気に聞こえるような声で呼んだ。
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