「リーヴァイっ、キスして、キス!ちゅって!」

「断る」

「えへ、嬉し…って、ちょっと、なんでよ!
ふっ、レナは甘えん坊だな。
みたいな感じで抱き寄せてからのーちゅ!
が、基本でしょー?」

「汚ねぇんだよ。
出直してこい」


*


なによなによ、キスぐらいしてくれたっていいじゃんね!
だいたい恋人のことを汚いってなんなのよ!
何様なのよ!
兵長様…兵長様か!?

ぷくっと頬を膨らませたら、

「アホ面」

って、鼻で笑われた。
このやろー…。
今のはレナは膨れても可愛いね、ふふ、ってとこでしょ!

「キスしてくれるまで構ってあげないんだからねー!」

「レナが耐えられるのか?」

「う……っ」

なんと、痛いところをついてくる。
私がリヴァイに構ってもらえないなんて耐えられるわけがない。死ぬ。
…かもしれない。

言いかえせなくてだんだん涙目になってくる。
とくに理由はないけど、キスしてほしいんだもん。
ちゅってされたいんだもん。

「……レナ」

「な、に……っん」

「これでいいのか?レナ」

急に腕を掴まれて、引き寄せられて、私の唇にリヴァイの唇があたって…?

なんか、すごい見下したような笑顔のリヴァイ様。
どうしよう、どうしよう、嬉しいのにどんどん涙があふれてくる。



Please kiss me!



「うわぁぁぁん!!
好き好きリヴァイ大好き!」

「ちょ、レナ、泣くな…泣きながら抱きつくな!」

「やだもん!
このままでいるもん!
バーカ!!」



後に服に涙だの鼻水だのがついたと怒られて正座させられるレナちゃん。
兵長はほしいものをすぐに与えてくれない主義なんです。


 


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