「…リヴァイ兵長」
「……なんだ」
「お腹すきました。
私今パスタ食べたいんです。
作ってください」
「…………は?」
*
「だーかーら!
お腹すいたんです!
パスタが食べたいんです!
作ってください!」
偉そうに仁王立ちして腕組んで超ドヤ顔で言ってみた。
…ん、だけど、どうしよう。
兵長様キレそう。
どうしよう。
今更、兵長様ごめんなさい、冗談です。
なんて言えない…!!
「…自分で作れ」
よかった!
蹴られなかった!
私、生きてる!!
…じゃなくって!
「……まさか兵長、料理できないから作りたくなーい。
なんてことないですよね?」
……いやいや、あの、ね?
ここで引き下がったら負けかなって思ったの。
なんか思っちゃったの。
こういうことあるでしょ?
ね、ね?
「…………」
おぉ!兵長様が!
兵長様が重い腰をあげた!
これはパスタを私のために作ってくださるのか!
……って、え?
「…え、ちょ、あの…兵長?近い、近いです」
え、なんなの?
兵長がめっさ近づいてくるんだけど、なんなの?
もう私の後ろに壁があって下がれないんですけど。
そして兵長様の顔がなんか、なんか近づいてきて…。
え、まさか、き、キス…?
いやいやいや、そういう流れじゃないっしょ!
で、でも一応目は瞑っておこうかなって…!!
「っいったぁ!?」
痛い。
おでこの辺りが半端なく、恐ろしく痛い。
私の前にはなんか…笑ってる兵長様がいる。
え、え、なに?デコピン?
デコピンされたの?私。
「…レナ」
「っはい!」
「パスタが食いたいから、
作れ」
「……はい」
パスタな気分
「……まずい」
「なら自分で作ればよかったじゃないですかー。
あ、料理できないのかーすみませーん」
「……何か言ったか、レナ」
「あ、すみません。
私が食べますんで残してくださいごめんなさい」
なんだかんだ言って全部食べてくれた優しい兵長様。