「……何やってんだよ」
「あれ、起きた?
もうちょっと寝てていいよ」
「え、あぁ…じゃなくて!
なんで俺のベッドに入ろうとしてるんだよ!!」
*
バッと跳び起きて可愛らしく頬を赤く染めて、私を睨んでるエレン。
そんなに嫌がらなくってもいいじゃんね。
別に、恋人なんだから。
「人肌寂しくって夜這いにきました」
「帰れ。」
「ごめん、サシャのいびきが煩くって眠れないの。
一緒に寝させて?」
まさか…即答で帰れって言われるなんて思ってなかった。
しかも慌てずに、超冷静に。
とりあえず本当の理由を話すとうーん…って悩んだ後に、エレンはベッドから降りた。
「俺はソファーで寝るからレナはベッドで寝ろ」
「…やだ」
……は?
って、くっきりと顔に書いてありますよエレンさん。
だってね、1人で寝れるんだったらロビーで寝るよ。
「…エレンと一緒に寝たいんだもん」
私はいっつもサシャとかクリスタと一緒に1つのベッドで寝てる。
1人で1つのベッドを使うなんて眠れるわけないじゃない。
ぷーっと頬を膨らませていると、エレンは諦めた様に溜め息を1つついた。
一緒に寝てくれるんだと思って、ぱぁっと明るくなる私。
「…今日だけだからな」
そう言って私に毛布を被せてくれるエレン。
なんだか自分から一緒がいいって言ったのに、恥ずかしくなってきた。
……暑いなぁ。
毛布なんて、いらないかもしれない。
たまには一緒に、
「…あれ?
エレンは毛布被らないの?」
「被ったってどうせレナが取っちゃうだろ」
「風邪引いちゃうよ。
夏風邪はバカが引くものだっていうし」
「……お前やっぱり帰れ」
「隣にレナがいたら熱すぎて毛布なんていらないっつの」