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「翼君、み〜つけた!」
うずくまっていた俺に降り注いできたのは、大好きな人の声だった。凛とした鈴の音のような可愛い声は、俺のこと見つけられてすっごく嬉しそう。
俺だって嬉しい……はずだったけど、やっぱり……嬉しくないと無理やり思いこむことにして、声の発信源をぼんやり見つめた。
「ぬ?……月子」
「もう!翼君……探しちゃったよ。携帯に電話してもメールしても繋がらないし」
「……うん。ごめん月子」
「…………翼君?」
俯きがちだった顔を上げて月子の顔を見る。その顔は、俺を不思議そうに見てる。
聞かれなくても、俺が元気のない様子で心配してるように見えた。
俺がここでやってることは、月子にはバレちゃいけないミッションだ。慌てて笑顔を作ると、俺は月子の手を掴んで立ち上がった。
「ぬはっ!ごめんごめん〜。早く行かないと、夕食なくなっちゃうよな?」
「そうだよ。だから……ね、早く行こう?」
「うぬ!」
笑ってごまかして、今日は終了。
でもまだ駄目だ。左胸がぎゅっとなる感覚が消えない。月子に会った瞬間にそれは朧気になったけど、いなくなると現れるそれに俺は頭を抱えている。だからそれをどうにかしようと、必死に考えて考えて考えた抜いたミッションを遵守しようと、俺はそれを遂行していった。
一日目、二日目、三日目と気付けば一週間経っていたミッション。その内容は、朝、早起きする事から始まる。深夜にまで及んだ発明で、身体はなかなか起きてくれないが、この間発明した『眠気バイバイマシーン君』を使って何とか目を覚ますんだ。
部活をしてる奴らのように、朝練が行える時間に起きてから、朝ご飯を食べて自分のクラスへ。それから、誰もいない教室で自分の席に座り、机に突っ伏してホームルームが始まるまで夢の案内人と遊んでいると、ようやく眠気がなくなっていく。
あとは、同じクラスの奴と楽しく授業を過ごして、休憩時間には梓に発明品を見せにいく。二年生になって梓とはクラスが離れちゃったから、こうして休憩時間にあったり、一緒に昼ご飯を食べることもある。
時々来る月子からのメールは、すぐに返信する事を忘れずに。終えるとまた平然と過ごし、授業が終わると我先にと教室を飛び出して、足を運んだこと無い教室で、そっと身を潜めた。
しばらく生徒会の行事はないみたいだし、そらそらだって音楽部の部活に出てたから大丈夫。大好きなはずの発明も最近はあんまり手が付かないから、ここでじっとしてるんだ。
それなのに。
それなのに、君は俺の元へ必ずやってくる。
「見つけた。翼君!」
嬉しそうにキラキラした瞳で俺を見て笑って。場所なんて教えてないのに、毎日違う場所に居るのに、俺はいつも君に見つけられちゃうんだ。
俺は君の目から逃れようと、わざと隠れているのに。
月子の事、嫌いになった訳じゃない。むしろその逆で、俺の中がぎゅうぎゅうになるくらい月子の事ばっかりで占めている。だけど、それが逆に怖くてしかたない。
数ヶ月後には卒業していなくなる君。去年みたいに、ぬいぬいが卒業するのが嫌で逃げてるわけじゃない。ぬいぬいや月子の存在を自分から無くそうなんて考えてないけど、月子がいなくなったら寂しくて耐えられないかもしれないから。
優しさとあったかさに慣れた俺は、それがなくなるのが怖かった。だから、今から寂しさに慣れておこうと思って、月子が居なくても大丈夫な俺を作り上げようとしたけど。
やっぱり無理みたいだった。だって、俺の幸いはいつだって月子の手の中にあるみたいだから。
「ぬはっ……見つかっちゃった」
「あはは。もう……こんな所に隠れて」
少しすねながらも、月子はこうして迎えに来てくれる。ずっとず〜っと昔、俺がちっちゃい頃は、外に遊びに行ってもじいちゃん以外誰も迎えに来てくれなかったけど、今は月子がこうして来てくれることが嬉しい。
差し出された手を引っ張り、俺は月子を抱き寄せて腕の中に囲った。
「つ、翼君?」
ちっちゃい身体の月子は、俺が抱き締めるとすっぽり埋まっちゃう。でも、身体はちっちゃくても、月子の方がずっとずっと心が強い。俺はいつも月子に守られているんだ。
「……月子は、どうして俺の事、探しに来てくれたの?」
「……え?」
「毎日、毎日……見つからないようにしてたのに。月子はどうして……」
「そんなの当たり前だよ」
少しだけ震える手は、月子に伝わっちゃっただろうか。俺の背中に手を回した月子が、ぎゅっと俺を抱きしめた。
「もっと、翼君と一緒にいたいからだよ。……それにね、見つけた時、翼君が嬉しそうな顔してくれるのが、私も嬉しかったから」
「……うん。俺、嬉しかった」
「卒業しちゃったら、なかなか会えないから。会える時は翼君が傍にいてくれたら、すごく……私も嬉しいな」
「月子……」
「寂しくても、今を思い出して乗り越えられるように。ダメ……かな?」
恐る恐る尋ねてきた月子は、目を潤まして今にも泣きそうだった。そうだ……俺は今まで自分のことしか考えてなかったけど、月子だって俺と会えなくなるのが寂しいって思っていてくれてるし、俺のことを考えてくれたのに。
結局、俺は前より変われたって思っていても変われてなくて、堂々巡りをしてるだけだったのだ。答えはもちろん決まってる。
「ダメなんかじゃないよ。月子が傍にいてくれるの……すっごく……嬉しい」
「……翼君」
「大好き、月子」
そっと口付けをすると、どんどん想いが溢れて今まで我慢してた分、止まらなくなった。
「ふっ……んん」
唇が離れると、それを追いかけて合わせて、深く月子を求める。唇のその奥、熱く柔らかな舌をつついて俺のと絡めた。
「んっ……ん」
気持ちが高揚していく。気持ちいいその感覚に酔いながら、俺は月子の柔らかな身体を撫であげる。
「ふぁっ……ダメ」
驚いた月子が唇を解いて身をよじったけれど、俺は月子の首筋に口付けしながらささやかな月子のおっぱいに触れた。
「気持ちいい。月子のおっぱい」
「つ、翼君……!ここ、誰か来るかもしれない教室」
「ぬはは。誰も来ないかもしれない、特別教室の方が正しいと思うぞ」
月子の言葉を遮って、俺は的確な表現に直した。只でさえあまり使わない教室なんだから、有効利用しないとだしな。
スカートから引っ張り出したブラウスの裾を引き寄せて、プチプチとボタンを外していく。すると柔らかそうな真っ白い肌が現れ、俺は月子を自分の膝に載せた。
「あ、あの……翼君」
「な〜に、月子」
「その…………は、恥ずかしい」
いやいやと首を横に振る月子に、俺はほっぺにチュッと唇を押し付けて、柔らかな身体を自分の顔に押し付けた。
「すごい……心臓ドキドキしてる」
「……っ!」
「もっと、直に聴かせて」
「つ、つばさくん……ひゃっ!」
簡単に月子のおっぱいを守る布をずらすと、俺はそこに耳を付けた。どくん、どくん。と忙しないそこに聞き入りながら、手を下へ下へと下ろしていった。
短いスカートから見える太腿を優しく掴んで、徐々に隠れている部分に向かっていくと、月子の心臓はより早く音を立てた。
「っ……ん」行き止まりは布に守られた大事な部分。しっとりと湿っているそこを撫でた時、月子は震えながら俺の手を捕まえた。
「すごい……びしょびしょ」
「やっ……言わないで!」
「何で?ほら、ここ……月子の好きな所だろ?」
月子のエッチな蜜から離れ、大好きな部分を触れてあげると、月子は俺の頭を抱えるように抱きしめた。
「あっ……やぁ……」
布ごしに親指でグリグリと執拗に撫でる。頭上で聞こえる月子の吐息は溶けちゃいそうに甘くて、俺の身体を熱くしていく。
気持ちよさそうな月子に、俺はもっと月子に気持ちよくなって貰おうと、目の前にある月子のおっぱいをパクリと口の中に含ませた。
「……ふぁ……ぁあ……っ」
先端の部分を吸い上げて、何度も舌を這わせていると、月子は震えながら軽くイッた。
「やぁああ――っ」
ビクビクとずっと震えてる月子の顔を覗いた。その顔は、快感に耐えようと、きゅっと唇を引き結んで、光が入らないくらいキツく瞼を閉じている。少しすると、その目は俺を映し、恥ずかしそうにほっぺを赤らめた。
「君のエッチな顔、可愛かった」
「……っ、ヤダ……見ないで」
「もう見ちゃった後だから、手遅れだぬーん」
両手で自分の顔を隠そうとしている月子を縫い止めて、俺は月子の唇に口付けた。音を立ててそれを離したあと、俺はそっと尋ねる。
「ねえ……もっと月子とくっつきたい」
鍵もしてない教室で、俺たちは確かに物陰に隠れているけど、見つからないとも限らない。それでも、俺はちょっとした意地悪でこのまま行為を続けることを望んだ。君の理性が溶けちゃうように、大洪水の布の上から蜜壷の入口を指でなぞる。
「はぁ、ぁっ……っ」
そうすると、蜜はどんどん増えていき、端から雫を垂らした。もどかしさに腰を揺らした月子が、俺の腕にしがみつく。
「っ……いいよ」
小さな了解と共に、俺は笑みを浮かべて、もう一度唇を合わせた。
お腹にくっつきそうな程、反り立った俺の熱を月子は美味しそうに飲み込んでいく。滴るような蜜のお陰で、スムーズにそれは進む。柔らかな月子のお尻が、俺の両脚に付くと、月子が大きく息を吐いた。
「はぁ……ぁっ……」
「ナカ、スゴい……吸い付いてくるっ」
早くも息があがりそうな俺は、月子の腰を掴むとゆっくりと腰を揺すった。
「あっ……翼君……っ」
「ぬはは……月子のナカ、気持ちいい……」
泡立った蜜が、徐々に大きな音を立てていく。繋がった下肢のように、視線を絡め合る。不安定な体勢に首にすがりついてきた。
「んっ……っ……ぁっ」
「月子も気持ちいい?腰動いてる」
「うん……んっ……」
上下にがくがくと動く腰を見て、俺は月子に問いかけると、月子は首を縦に振った。
「可愛い……すっごく可愛い」
俺を見つめる潤んだ目や、震えながらすがりつく手、俺を受け入れてくれる蜜壷、月子の身体はどこも可愛くて、そうやって可愛いと繰り返し口に出した。
「んっ……翼君っ……っ」
そうすると、俺が『可愛い』って言うたびに、月子のナカが嬉しそうに俺を締め付けるんだ。
「月子……月子、可愛いよ……」
「あっ……んっんん」
「可愛い」
「っ……!ひぁああっ――!」
ふるふるちっちゃな小動物みたいに震えながら、月子はまたイッた。その瞬間、すかさず俺は揺さぶりをかけると、月子は弓なりに背をそらした。
「あっあぁっ……まだダメ、ダメっ!」
「いいよ……何度でも気持ちよくなって」
「っふああっ……んん、ん」
イッたばかりで敏感な場所をずんずんとえぐって、俺は意識を飛ばしそうな月子を揺らす。
「ダメェぇっ……つばさ、くん……っ!」
「一緒に……月子もイこ……」
再び震えだした月子に、俺は奥深くの繋がりを感じながら穿つと。
「はぁん……んんっ、ぁあ――っ」
「……うっ」
絞り出すような動きをするナカに耐えきれず、俺は熱を放出させていった。
身支度を整えても、さっきの行為からの気だるさから俺達はしばらく動けなかった。
抱きしめ合ったまま、窓から見える星を眺めて、目が合ったらキスをした。
そんな風にのんびりしていると、きゅるきゅると何かが音を立てた。
月子がお腹を押さえたところを見ると、それは月子から発せられたもののようだ。
「帰ろっか……月子?」
「うん」
立ち上がった俺たちは、手をつないで歩き出す。
そうして、ふと気付いた。俺の中にいた寂しさが微塵も気配を消していることに。
「どうしたの?翼君」
「ぬ?…………何でもないよ」
笑って月子の手を引いて、ごまかすように走り出す。かくれんぼは必要ない。この手には、この胸には大事な人の想いがいつもあるから――。
2011.08.14
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