二章
良が土方を引き止めていた中、こちらはというと
『あ、のっ・・・銀さん!』
銀「・・・・・」
『銀さんっ!!!』
銀「・・・・・」
『オイコラクソ天パ!!』
銀「なんだとおらぁ!!!・・・・・・・・ハッ!夏芽くん・・・!!」
数回の呼び止めでやっと立ち止まった銀時
振り返ると息を荒くした夏芽がかいた汗を袖で拭いながら言う
『どうしたんですか、銀さん・・・いきなり走り出して、ポテトが何本か落ちちゃったじゃないですか・・・』
聞いた理由は若干おかしかったが、銀時は「あ、ごめん」と謝罪し、言葉を続ける
銀「いやぁ、あのジェットコースターまだ乗ってなかったなぁって・・・
えっと・・・そう思ったらいてもたってもいられず・・・つい・・・」
もう一度「ほんとごめん」と軽く頭を下げる銀時
夏芽の様子を伺うために恐る恐る顔を上げると、その綺麗な顔の眉間には深いシワが掘られていた
銀(うおおおおお・・・怒ってるぅぅ・・・!!!)
内心ビビりまくりの銀時だが、表情だけは悟られまいと真面目な顔をつくる
すると薄く口を開いた夏芽
銀時は息を大きく吸い込み、覚悟を決める
『銀さん・・・それ、本当ですか・・・?』
銀「(やっべ、バレたかっ・・・!!)う、うん!ほんとだよ!!もうこれでもかというくらいほんとだよ!?!」
ジェットコースターを口実に無理やり引っ張ってきたことを怒ったのだろうか、むすっとした表情の夏芽に全力で焦り、全力で言い訳する
そんな様子の銀時に何を思ったか夏芽は
・・・――――――フッ
ニヤリと妖しく微笑む
その行動がさらに銀時に緊張を与え、冷や汗をドッとかく
しかしその妖しげな表情も次の瞬間にはニコリとした笑みに変わっていて・・・
『そうですか、それならいいんです』
銀「・・・・・へ?」
思わず間の抜けた声を出す銀時
『いや、もし言い訳だったら、ただポテトを無駄にしちゃっただけだったから、
でもジェットコースターだったら俺も乗りたいしいいかなって』
フフフと笑い声を漏らす夏芽に銀時は開いた口が塞がらなかった
銀(いやまたポテトォォォォォォォォォォ!!?!?!!)
『さ、銀さん行きましょう、今日はコンプリートしますよ』
未だ顎が外れるほど口を開いている銀時などお構いなしで歩を進める夏芽
銀(・・・・・でもまぁたまには・・・いいか)
そんな夏芽に「あ、ちょっと待って」と返し、隣に並ぶ銀時
銀(あ〜美人ってずるいわ〜、・・・・・てゆーか俺が美人に弱いのか・・・)
その頃の土方&良
土「おら、いいから食ってみろ」
良「いや絶対いいです」
土「あん?なんでだよ」
良「理由は明解だろが、てゆうかなんでさっきから上から目線なんだ」
土「食ってみてください、マヨ乗せたい焼き」
良「そんな無駄に脂肪を取るわけにはいきません」
土方からのしつこい勧めにうんざりしていた
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