二章


銀「なんなんですか、ゴリラのストーカー気質が移ったんですか」
土「違ぇよ、指示(命令)されたんだ」



銀時が嫌味を隠さずに告げると、多少苛立たせながらも答える土方
その姿は、見慣れた制服ではなく、落ち着いた印象の色の着流しである



銀「指示って誰に?俺をマークしてるってことは、幕府関係者か?」



眉根を寄せ、気怠そうに問うと土方は「あぁ?」と一言漏らし



土「何で久しぶりのオフにてめぇに関わらないといけねぇんだ、それだったら総悟の相手してたほうがまだマシだ」
銀「(イラッ)それはこっちのセリフだっつーの、つーか休みの日にストーカーたぁ、警察も大変だな」
土「ストーカーじゃねぇっつってんだろ!!」



お互いに浮き出た血管をヒクつかせながら言葉を交え、睨み合う

その様子は付近を通る一般客を困惑させるほどで



土「今日この遊園地で遊ばせるやつがいる、それを黙って見ておけ」



煙草を取り出し、火をつける土方が唐突に言った言葉
銀時は意味が分からなかったのか、眉根をさらに深く刻む



土「指示の内容だ、断るにも断れねぇ相手なんだよ」
銀「・・・は?ちょっと待て、マークしてるのが俺じゃねぇってことは・・・」



銀時が言葉を詰まらせると







土「お前のツレ、藤宮夏芽だ」



煙を吐き出しながら土方は言葉を続ける



土「偶然会った夏芽の義父、藤宮良に指示された、そいつは将軍家の大老だ」
銀「大老・・・!?」



銀時が目を見開き、声のボリュームを上げる
しかし・・・



銀「・・・・・・・・ってなんだ?」
土「んなことも知らねぇのか!!」



土方は思わずつっこんでしまう



銀「あ?なんか悪いですか?言っとくけどなぁ、これ読んでる人の中にも知らねぇやつはいっぱいいるんですぅ、それを俺だけ知らないみたいに言ってんじゃねぇよ」
土「いい大人にもなって知らねぇやつはてめぇぐらいだろが」
銀「・・・あ、ああ、嘘だって、ホントは知ってるっつーの、あれだろ?あれをあれするあれ・・・冗談も通じねぇのかよ」
土「後半あれしか言ってねぇだろうが!!!」
銀「あれでも通じるだろ!お前ならできるはずだ!さぁ俺の言いたいことを読んでみろ!!!」
土「うるせぇよ!!!」



銀時のボケに土方の激しいツッコミ
二人は本当に仲が悪いのだろうかと疑いをかけられてもおかしくないほどにタイミングがあっている


とそこに・・・




『銀さ−ん!!いろいろ買ってきましたよ!!!』


銀「あ、帰ってきた・・・」
土「っ・・・!!(夏芽・・・////)」



両手いっぱいに食べ物を抱えた夏芽が走って近づいてくる


『あ、土方さん、こんにちは、どうしたんですか?土方さんも遊びに?』


存在に気付き、微笑みながら言葉を紡ぐ夏芽に土方は微かに頬を染めながら答える


土「あぁ・・・まぁそんなところだ」


土方の返答を聞き、「そうですか」と返す夏芽は買ってきたものからいくつかの食べ物を取り出す


『銀さんは甘いものでしたよね、土方さんは・・・・・・どれがいいですか?』



銀時にどこに売っていたのだろうか、カステラを渡しながら土方に問う
夏芽の手の中からたいやきを手に取り遠慮がちに礼を言う土方



土「じゃあ・・・これで、悪いな俺まで」
『いえいえ、俺のお節介ですから気にしないでください』
土「あ、そういや今度遊びに行ってもいいか?まぁ遊びとは言っても一応仕事なんだが・・・」
『構いませんよ、むしろ大歓迎です、良に用事ですか?』
土「まぁな」



仄々とした空気を纏い、会話を続ける土方と夏芽
しかしそんな二人に納得していない者が一人








銀(・・・・・・・・・・・なにあれ・・・なんかスゲームカツク・・・主に土方)











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