二章


銀「はぁ〜」



万事屋への帰路をのろのろと歩いていた銀時は盛大なため息を漏らす



銀(なんでこんなに疲れてんだっけ・・・?・・・あぁ、あれか・・・)


今にも昇天してしまいそうな、やつれた顔を少しだけ上げ、数分前のことを思い出す





〜回想〜



銀「・・・美味しいですか、お兄さん」

『美味です、すごく』

銀「さいですか、それは良かったです」



銀時の食べかけのシュークリームを頬張る夏芽
長いまつげに縁どられたその目は、今や幸せそうに細められている



銀(ちくしょー、もう帰りにパフェでも食って帰るか)



ご機嫌な夏芽の横にはご機嫌斜めな銀時

夏芽はそんな銀時も然程気にしないようで、シュークリームを貪る
・・・と、夏芽がかぶりついた反対側からクリームが溢れ、鎖骨あたりに垂れると


『あ、もったいない』


どんどんしたの方へ垂れていくクリームをただ眺めているだけの夏芽
しかし銀時には異変が起こる










銀(・・・・・なんか、エッロ・・・超舐めてぇ・・・)


今までには無かった感情が芽生え、思わず下半身が疼いてしまう





『むー、どうしよう、ベタベタしてきた・・・』



頬を膨らませ、困ったような顔を見せれば



銀(今そんな顔すんなーーっっ!!!生殺しじゃねぇか、これ!!)



一人鼻の奥から来るであろう液体を予想し、両手で鼻を押さえる






〜回想終了〜




銀(あー、なんつーか・・・さっきから夏芽のことが気になってしょうがねぇ・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・いやっそういう気になるじゃなくて!!)




一人で考え、一人でつっこみ、一人で赤面する
傍から見れば完全に「怪しい人」なのだが、そんなことを考えている暇はなかった





銀「ただいま」
神「おかえりヨ〜」
新「おかえりなさい、遅かったですね」



家に着き、声をかけると先に帰っていた神楽と新八がお出迎え
銀時はソファの定位置に腰掛け、一気に脱力する

そんな様子の銀時に神楽が問う


神「どうしたアルか、女に騙されたみたいな顔してるヨ」


銀時の隣に座り、顔を覗き込む神楽の問いに
















銀「・・・・・女じゃ、ねぇ・・・・・・・・」




顔を背けながら返答する




新「・・・・・女じゃないって・・・まさか銀さん・・・!」




珍しく鋭い新八に、ギクッと肩を揺らせば、神楽も気づいたのか電話を手に取り











神「・・・かまっ娘倶楽部に連絡――・・・」
銀「やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」



銀時の必死の声で連絡は阻まれるが、神楽に冷たい視線を浴びせられる

「うっ」と冷や汗を浮かべる銀時に



新「一体何があったんですか?」



新八が当然の質問をかける








〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


2人に事の事情を話すと



神「・・・・・・・・」
新「・・・・・・・・」



2人揃って軽く引いていた



新「男性でそんなに美人な人なんかいるわけないじゃないですか」



疑いの目を向ける新八

そんなもの言い訳だろうが、と言わんばかりの顔で蔑む神楽

そんな2人に涙目になる銀時







銀「俺だって、こんなことになるとは・・・・・・な!お前らも分かってくれるよな!?」



力説する銀時に







神「うるさいアル」
新「うるさいです」









「「へ・ん・た・い」」






銀時に止めを刺した











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