一章




皆が酔いつぶれた一室

そんな中・・・――







『んん・・・、』

土「っ・・・おい・・・」



土方の背中に手を回す夏芽は土方の首元に顔を埋める



土「やめろ・・・って、夏芽・・・」

肩口に手を置き、距離を取ろうとする土方だが



『あ、初めて名前呼んでくれましたね・・・、うれしい・・・』


ニコッと微笑む夏芽はさらに密着する
土方は、何かを我慢しているのか否か、できるだけ顔を逸らし、
顔を僅かに歪ませる
そんな土方に、



『俺と・・・顔を合わせるのも嫌ですか・・・?』


先ほどの冗談とは違い、今にも泣き出しそうな顔をする夏芽
その目にはうっすらと涙が浮かんでいて、



土「っ!・・・・・ぁ」



一瞬驚くも、夏芽の頬に手を添える土方
そして、自ら唇を寄せる
夏芽も、その漆黒の瞳を長めのまつ毛で覆い、上を向く



・・・・・と、













スパァァァァァンッ!!






頭に奔る衝撃、それは夏芽の方からやってきて、
そのまま勢いで後ろに倒れる



沖「なにしてんでさぁ、マヨ方コノヤロー」


夏芽の後ろに立つのは、ハリセンを構えた沖田
・・・の、後ろに良と太一




良「なんだ土方さん、やっぱり目覚めたんじゃん、ホモ」


夏芽の後ろから顔を出す良

その良の前にはいつの間にか眠った夏芽の姿

依然状況がよめず、放心状態の土方に沖田から非難の目を向けられる




沖「最悪でさぁ、酔った夏芽さん襲うたぁ・・・死ね、土方」


土「・・・はぁ!?こいつから来たんだよ!」


太「でも最終的には未遂起こしてたよねぇ・・・・・・・・・あ」


ポロっと口に出し、自分の失言に遅い反応を見せる


すると沖田と良は一斉に土方を見るも、土方もそれと同時に
冷や汗だらけの顔を背ける





太「あぅ・・・あのっ今日はもう遅いから、泊まっていったりとかは・・・」



罪悪感からかうろたえながらも、話をそらす太一
しかしそれに冲田は土方に冷たい視線を浴びせながら言う



沖「大丈夫でさぁ、ここに土方さん置いといたら夏芽さんが喰われちまう」

良「(喰われるのが仕事だけどな)そうか、じゃ、気をつけてな」

沖「へい、それじゃあ失礼しまさぁ」



先に行く冲田を追いかけようとはせずにのろのろと仕度を始める土方



土「あの、なんかいろいろ悪かったな・・・また、来る・・・・・かも」


どこか照れたような表情の土方に良と太一は顔を見合わせ


良「おう、待ってるぞ」
太「また来てね」


笑顔で見送る

土方が見えなくなったのを確認すれば、太一に腕を回す良



太「い〜い感じじゃないですか、ねぇ良?」
良「ほんとにな、嫉妬しちゃうわな」



((頑張れ〜、若者!))






―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



翌日、雪桜



太「ねえ、夏芽、昨日さ言ってたじゃん?土方さんに
惚れるなら俺に惚れて欲しい〜って」




唐突に質問され、反応に遅れる夏芽



『うん・・・言ったような気もしたけど・・・なんで?』


太「ん〜、理由はないけど・・・でもさぁ、あれ、
結構本気だったでしょ?」




一瞬固まるも、その顔にはすぐに笑みが浮かび













『・・・・・ばれた?』



綺麗な顔を、ほのかに赤くした




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