一章



酒の匂いが色濃く漂う一室
そこは、先ほどの賑やかな雰囲気とは打って変わって、十数人の
酔いどれ達が死屍累々のごとく横たわっていた



そんな中で



土(みんな酒弱すぎだろ・・・)



土方だけが起きて(生き残って)いた


土「まだみんな合わせて5升しか飲んでねぇじゃねえか、
こんなんで男娼していけんのかよ・・・」




土方も多少は酔っているとは言え、まだ酔いつぶれるほどには至っていない



土(総悟も潰れてんのかよ・・・)



酒には割と強い沖田も、さらにはその沖田とじゃれていた夏芽さえも
2人揃って寝転んでいた


1人取り残された感のある土方は



土「・・・・帰るか・・・」



寂しくなってきたのだろう、帰る仕度を始めだした

・・・と、










『・・・あれぇ、土方さん、帰っちゃうんですかぁ?』



どこか呂律の回っていない声

声の主の方を見ると








赤く染まった顔に、瞼の下がった官能的な目

夏芽は唇を薄く開くと、土方に擦り寄る





『ね、帰っちゃうんですか?』


再び問われる質問

ギュと握られる隊服の裾に土方は微かに体を強ばらせる





土「お前らが寝るからだろ、こっちは暇なんだよ」




なんとか、返答を返すと






『お暇ですか・・・?そっか・・・―――』


顔を俯かせ、少しだが小声になる

土方はまた泣かせてしまったと思ったのか、肩をつかみ必死に弁解する




土「わ、悪かったっ、暇なんかじゃあ・・・、そうだ!お前がいるから・・・な!」


しかし―――









『ん・・・、ふ・・・』








首元に腕を回され、胡座をかいていた土方の足の上にまたがる夏芽


そして重なる唇





目を見開き、抵抗もできずにいる土方に夏芽は唇を離し











『だったら・・・俺がお相手しますよ・・・、暇、なんでしょう?』


言い、もう一度唇を合わせた


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